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言葉

君たちはなぜ、怒らないのか~父・大島渚と50の言葉

映画監督・大島渚が2013年に亡くなって2年の月日が経過した。映画ファンであれば「愛のコリーダ」や「御法度」という映画で有名であったということは百も承知なのだが、そうでない方であれば怒る、時として怒鳴るコメンテーターとして有名であった。そういえば戒名は「大喝無量居士(だいかつむりょうこじ、Wikipediaより)」とあるため、「大島渚=怒る」というイメージは定着していると言っても過言ではない。 本 […]

適当な日本語

「適当」の意味合いは2つある。第一章の冒頭にも取り上げられているが、一つは「いいかげんであること」、もう一つは「適切であること」と、2つの意味であるが意味合いが大きく異なる。日本語は絶えず変化しており、使われ方からして一つ目の「いいかげん」に使われることもある。しかしTPOをわきまえ、文法的に正しい二つ目の使われ方もある。特に「日本語の乱れ」として槍玉に挙げられるのが「いいかげん」と呼ばれるもので […]

「忘れる」力

私は忘れっぽい人であるのだが、「忘れる」ということはあながち悪いことではないという。むしろ忘れることを意識することによって新しいものを創り出すことができ、考えることを旅のごとく楽しむことができる。 その「忘れる力」とは何か、その意味と仕組みについて本書を通じて読み解く。 第1部「創るチカラ」 「つくる」という言葉を漢字に変換してみると「作る」「造る」「創る」とある。その中でも「創る」ことについて、 […]

「ぐずぐず」の理由

予め断っておくが、本書は「ぐずぐず」している状況を理解し、対処するような本ではない。鈍くさかったり、ゆっくりしたりしている様子を、オノマトペとして「ぐずぐず」と表現しているのだが、いったい何故なのかと言うことを解き明かしている。もっとも「ぐずぐず」に似たオノマトペは数多く存在しており、各の意味を持っている。では「ぐずぐず」のようなオノマトペが日本語として果たした役割とは何か、そしてオノマトペは日本 […]

小説を愉しむ脳~神経文学という新たな領域

小説を愉しめる人と、小説を愉しめない人の脳にはいったいどのような違いがあるのか。私は小説を書評している中で疑問に思ったことである。もちろん私の肩書きの一つである書評家があるのだが、同業者の多くは小説の書評を主としている方が多い。もちろん著名な書評家を見てみるとそのほとんどが小説専門と言っても過言ではない。 しかし私は元々小説中心では無く、どちらかと言うと小説を読むのが苦手である。そのため本書でもっ […]

築地魚河岸 ことばの話 読んで味わう「粋」と「意気」

東京・築地には日本中の魚介類が集まり、競りが行われる築地市場がある。市場の規模は、日本はおろか「世界最大」と言っても過言ではない。広さで言ったら他に東京都には太田市場があるのだが、売上や取引金額では築地市場が上である。 日本中から生きの良い魚が入荷し、業者たちによって活気づく築地はいったいどのような言葉が飛び交っているのか、本書は国語辞典形式にて紹介している。 第一章「基本編」 元々築地と魚市場の […]

正しいか?誤りか?それは問題じゃない―話しことばのフィールドワーク

「ことばは生き物である」ということはよく知られているのだが、実際の所、言葉や使い方の変化を許しがたい、「日本語の乱れ」と言うことで批判するような人も少なくない現状もある。私はと言うと、「ことは生き物である」思想を支持しており、絶えず変化をする考えを持っている。もちろん本書もそれが大前提で成り立っている。ではどのような変化が起こっているのか。著者が自らゼミなどの場で行われてきたコミュニケーションの体 […]

闘え、生きろ、老いるな!~夫・力道山の教え

最近プロレスラーの本がでている。今一番波に乗っている選手もいれば、昨年引退した選手、さらにはレジェンドと呼ばれるような選手などが続々と出版されており、それぞれ面白味がある。 さて、本書の話に移るのだが、本書は日本におけるプロレスの父と言える存在である力道山がどのような歴史を遺し、教えを遺していったのか、そのことについて力道山の妻の立場から綴っている。 第1章「3本の指に秘められた真実と死の真相」 […]

詩を書くということ

今となっては作詞界の重鎮として名を馳せている谷川俊太郎氏だが彼はどのような人生を歩み、詩の世界と出会い、そして現在まで生きてきたのか。その足跡について2010年に「100年インタビュー」という番組にて放送された対談を行った一冊である。 第一章「詩との出会い」 谷川氏は詩を書き始めて60年以上経つが、元々書き始めたきっかけは高校生の頃に雑誌を出すために詩を書き始めたのがきっかけである。それから詩の魅 […]

旅だから出逢えた言葉

「旅」は色々な意味で「広くなれる」。見識もさることながら、人の輪もあり、さらには行動範囲も広くすることができ、そのことで心の余裕も広くすることができる。 しかし「旅」の効果はそれだけでは無い。「語彙」も広くすることができる。ちょっと表現を変えると、様々な「言葉」に出会うことができるわけである。 本書は著者自身が日本国内のみならず全世界を旅し、出会った言葉を取り上げ、解説した一冊である。「言葉」と言 […]