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講談社現代新書

愛と欲望の三国志

「三国志」は中国大陸における「後漢」王朝末期における黄巾の乱から晋国が三国を統一するまでの時代のことを表し、それを物語にしたのが「三国志演義」である。この「三国志演義」が成立したのは三国志の時代から後のことである。時代としては「明」王朝の時代であり、具体的な年代は不明であるのだが、書物として最古のものとして1522年のものがある。日本で言えば室町時代後期のころである。 その三国志演義において本書の […]

資本主義に出口はあるか

国家の多くは「資本主義」を取り入れており、その社会のことを「資本主義社会」とも呼ばれている。しかしながら「資本主義」と言っても、在り方は日々刻々と変わって言っている。その「変わり方」は現在どのような社会があり、その先にどのような「出口」があるのか、本書ではそのことについて取り上げている。 第一章「この社会はどんな社会なのか―「右/左」の対立の本質」 政治や経済などの思想において必ずつきまとうのが「 […]

健康格差 あなたの寿命は社会が決める

10数年前から「格差」にまつわる議論が出てきているのだが、健康でも「格差」がでているのだという。もっともどこに「格差」が出てきているのか、そしてその対策はどこにあるのか、本書は2016年9月9日に放送されたNHKスペシャル「私たちのこれから #健康格差 ~あなたに忍び寄る危機~」を書籍化した一冊である。 第1章「すべての世代に迫る「健康格差」」 実際に日本でも健康格差は生じており、所得によって生活 […]

ジャニーズと日本

今年の7月9日、ジャニーズ事務所の創業者であり、多くのアイドルをプロデュースし、日本の芸能界・演劇界に多大な影響を与えたジャニー喜多川氏が逝去した。87歳だった。ジャニーズにて生まれたアイドルは数知れず、昭和後期から平成、そして令和の現在に至るまでテレビなどで見ない日はないと言われるほどである。そのジャニーズ事務所が生まれ、そしてアイドルとして、演劇として名を馳せるようになった経緯を、アイドルと共 […]

フリーライダー あなたの隣のただのり社員

「フリーライダー」と言う言葉をいくつかのメディアで聞いたことがある。調べてみると、 公共財を、対価を支払わずに使用する者「広辞苑 第六版」より とある。今に始まったことではなく、電車で言うところの「キセル(乗車)」などがあり、さらに言うと店の無線のWi-Fiをただ乗りするような人もそうなのかもしれない。 ちなみに本書はあくまで「職場」における「フリーライダー」である。なぜ職場にフリーライダーが存在 […]

ピアニストは語る

クラシック、特にクラシックピアノを知っている方であればヴァレリー・アファナシエフという人物は知っている人がいるかもしれない。その人は世界を代表するピアニストの一人であり、詩人や作家の側面もある。 本書は日本にて語ったものを、いわゆる「聞き書き」として取り上げた一冊であるのだが、あくまで「ピアニストとして」のヴァレリー・アファナシエフを綴っている。 第一部「人生」 元々ヴァレリーは旧ソ連の生まれであ […]

森の力 植物生態学者の理論と実践

本書のタイトルを見て「住友林業」のCMの歌を思い出してしまった。しかしながら本当に森は癒やしでありつつ、未来の命や経済をつくり出すための力を担っていると言っても過言ではない。その森の力をどのように引き立たせているのか、そしてそして森の不思議とは何か、著者自身が植樹を中心とした森の再生を実践しながら取り上げている。 第一章「原点の森」 元々神道の宗教では八百万神と呼ばれる概念があり、それぞれのものに […]

商店街はいま必要なのか「日本型流通」の近現代史

商店街には様々な店が並ぶように見えているのだが、近年では地方の過疎化もあってか、「シャッター街」とも呼ばれるほど、閉店する店が並ぶようになり、寂れてきている。その一方で街おこしを行う所もあり、実際に成功したケースもある。 そこで考えるべきものとして「商店街」は必要なのかである。もっとも総合スーパーやショッピングセンター、さらには百貨店や通信販売などの形態も出てきているため商店街が必要ないように思え […]

異常とは何か

正常と異常の狭間とはどこにあるのかという所から考える必要がある。もっとも「正常」と「異常」の狭間自体が人それぞれであり、ある人が「正常」と考える一方で同じように見えて「異常」と感じる人もいる。もっとも「異常」についてどのようなことが「異常」なのか、本書は哲学的な観点よりも「精神医学的」な観点で考察を行っている。 第一章「異常と正常の倒置」 正常と異常はどのような差があるのか、もっとも「異常」と呼ば […]

ヒゲの日本近現代史

ヒゲと言うとダンディな印象を持たれる一方で、人によっては汚らしい対象として扱う人もいる。もっともヒゲ自体は人類が生まれた時から存在したともいわれているのだが、本書はあくまで日本近現代史として明治維新以降のヒゲのあり方について取り上げている。 第一章「明治時代におけるヒゲ大流行と権力性」 明治維新を経ると、様々なヒゲをはやす人が増えていった。もっとも明治天皇もまたヒゲをはやしている肖像画や写真がいく […]