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青春

花が咲く頃いた君と

本書のタイトルにある「花のさく頃」、そこに出ている花は「ひまわり」「コスモス」「椿」「桜」と春夏秋冬を表している。順番で言ったら夏・秋・冬・春の順と言える。特に「桜」は関東では来月咲き、別れと出会いの両方を象徴付け、所によっては年度をまたぐ象徴としてある。 四季それぞれにある「花」、その花とともに彩られる青春が本章に収められている。もちろん本書で取り上げている物語は最初に書いてあった四季それぞれの […]

トマト・ケチャップ・ス

とある女子高生が、同級生の2人から漫才トリオに誘われたことから物語は始まる。しかも誘われた2人は容姿端麗・成績優秀と呼ばれる才女で、主人公はまさか私が誘われるとはという戸惑いを覚えるものの、誘われるがまま本書のタイトルである「トマト・ケチャップ・ス」という名前のトリオを組んだ。 トリオを組み、お笑いネタを考え、そして漫才を一つずつつくる日々。その日々の中で出てきた少女たちそれぞれの家庭事情。それに […]

エヴリシング・フロウズ

中学校時代というと、年齢の半分くらいさかのぼらなければならないため、もう15年前の話になる。私の中学校は今年の3月に閉校し今はないのだが、その学校の思い出は語り出すと切りが無いので、ここでは割愛しておく。 中学校に限らず、小学校・高校ではよくあったのが「クラス替え」。それによって新しくクラスメートになる人、逆にクラスメートだったのが離れてしまう人それぞれいる。そのことによって人間関係も大きく異なっ […]

運転、見合わせ中

朝の通勤ラッシュの時、もしくは帰宅の混雑時に突然運転見合わせになってしまったら、げんなりしてしまうものもいれば、車掌に当たる人もいる。中には客同士のトラブルも起こったり、その時間を使ってボーッとしたりと様々である。 私の場合は、状況にもよるが、たいがいは本を読むことが多い。もし読む本がなければ、スマートフォンを使って電子書籍でも読んでいると言うような感じである。 本書の話に戻す。本書は大学生・フリ […]

ライオット・パーティーへようこそ

世界に目を向けてみると、エジプトをはじめ中東諸国、ヨーロッパ・アメリカ、さらには台湾や香港などでデモが起こっている。そのデモが暴徒化して「暴動」に発展することもしばしばある。日本でもデモはほぼ毎日の様に日本中の至る所で行われているのだが、そもそもの本質が異なる。 日本ではプロ市民による市民団体などおおよそ30代~50代ほどの中高年の方々が主導する場合がほとんどなのだが、前者は10~20代の若者たち […]

またやぶけの夕焼け

皆さんは子供の頃、どのような遊びをしていたのか。 私の場合は小さい頃は鬼ごっこ(缶蹴りや手繋ぎ、助けも含む)、野球、あと冬ではそりすべりや雪合戦などもやったことは今でもはっきりと覚えている。 本書の話に移るが、1970年代の子供の遊びを映しながら物語を進めている。あるときは冒険、クワガタ取り、火遊び、秘密基地…と様々である。 その中でも冒険やクワガタ取りであれば私でもやったことがある。自然豊かな場 […]

つらいから青春だ

「つらい」という感情は誰もが避けたがるものである。しかし成長や失敗にはどこかで「つらい」と思ってしまうような試練が必ず出てくる。その度に挫けてしまったり、諦めの感情を持ってしまうことさえある。 そういった感情に陥るとき、自分の進む道ややり方などで「壁」にぶちあがり、深く悩み、何をしたらよいのかわからなくなってしまう。 しかし誰もが避けたがる「つらい」感情こそ「青春」なのだと喝破している。本書はその […]

ブルーハーツ

85年に結成し、95年に突如解散した「THE BLUE HEARTS」。このグループが残した歌の数々は今でも私たちの心に強く残している。 「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」「終わらない歌」・・・と挙げるだけでおきりがない。 「THE BLUE HEARTS」が結成された頃に生まれた私は、彼らのライブは聞いたことがない。しかしCMなどで聴く機会はある。聴く度に「若く」「青臭く」、それでいて「 […]

ありえない恋

「恋」には色々な形がある。喜怒哀楽、移ろい、思い出、距離、時間と本書に表される「恋」を挙げてみてもきりがない。 本書は8組のカップルがそれぞれどのような恋をしたかを描いている。カバーイラストも含めた絵も含めても、まるで少女漫画を読んでいるかのような恋物語が詰まっている。 8組の恋模様が描かれている作品であるが、私が最も印象を受けたのはそれではなく、とある恋愛小説家への手紙。少し角度を変えると、「も […]

姜尚中の青春読書ノート

東京大学大学院教授で政治学者の姜尚中が熊本の野球少年だったときからずっと数多くの書物を読んでいた。本書では夏目漱石やボードレール、丸山眞男、マックス・ウェーバーの作品をピックアップして姜尚中自身の半生を綴っている一冊である。 とりわけ私が衝撃を受けたのはボードレールの「悪の華」についてである。 「愚癡(ぐち)、過失、罪業、吝嗇(りんしょく:「ケチ」ということ)は  われらの精藭(こころ)を占領し、 […]