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作家

カルチャーセンター

本書のタイトルを見ると、同名のサービスがあり、それが全国にて趣味、文化、生涯学習などを展開している所である。ちなみに本書の舞台はと言うと、その流れを概ね汲んでいるように見えて、異質な雰囲気を漂わせている。 それは小説のカルチャーセンターで、未発表小説を描いたとある主人公が、実在する作家・編集者たちからコメントが寄せられ、しかも作者本人にまで言及されるといった異色の物語である。小説家が小説の登場人物 […]

その果てを知らず

著者の眉村卓氏はSF小説を長らく描き続けてきた。その眉村氏の最期の一冊と言えるのが本書である。60年以上前にあるサラリーマンが小説の道を歩み出し、SF小説を描き始めた。やがてサラリーマンを続けながら作家人生を歩んでいった中で彼は何を見いだしたのかを描いている。 もっとも本書は「自伝的小説」とも言えるものである。主人公や境遇こそは架空であるものの、著者自身も元々は大卒後サラリーマンとなり、その中でS […]

富豪作家 貧乏作家 ビジネス書作家にお金が集まる仕組み

著者の水野俊哉様より献本御礼。 私自身、ここ最近は頻度は少なくなったものの、それでも週の半分以上は書店に立ち寄る。その中でビジネス書などもよく目にするのだが、10数年前からずっと常連で書籍を出している人もいれば、ここ最近デビューしてベストセラーをかっさらう人もいる。 もっとも職業作家として本を書くこと一本で生業としている人もいれば、ビジネスの傍らで本を書くという人もいる。また作家の中には書籍を通し […]

毎日世界が生きづらい

世間もさることながら、昨今の世界は「生きづらい」社会となっていることには間違いない。もっとも生きること自体が苦しいことも含まれている。 本書の話に移るが、会社員と作家の夫婦。その二人の間にも子供が生まれ、生活面でも支えていかなければならなくなる。金銭面はもちろんのこと、方や作家の側は出版すらこぎ着けない毎日であるため、半ばニートのような状態である。作家といった書いて売れる立場はどうしても当たり外れ […]

新作らくごの舞台裏

昨年の11月末に噺家の三遊亭圓丈が逝去した。76歳だった。 圓丈の師匠である六代目三遊亭圓生が存命だった頃は古典落語が中心だったのだが、圓生が逝去してからは「実験落語」と称して、様々な新作落語を演じ、新作落語の旗手として名を馳せた。その活躍は現在の落語芸術協会会長である春風亭昇太や、圓丈の弟子である三遊亭白鳥ら新作落語を積極的に演じる方々に多大なる影響を与え、なおかつ今日の新作落語の土台を創った存 […]

アンチ整理術

よく本屋に行くとビジネス書の界隈では「整理術」といった本が数多くある。かくいう私も整理が苦手なので、整理術の本を購入して実践する日々である。特にこの時期になると大掃除でもあるため、来年のスタートダッシュに向けて整理を行うという方々も少なくない。 そのような「整理」の風潮に対して、本書の著者は異を唱えている。散らかっていても底に意味があり、なおかつ作業を進めることができれば正解じゃないかと主張してい […]

作家で億は稼げません

「作家」と言う仕事は儲かるように見えて、実はピンからキリまでの幅がかなり広い。ベストセラーを連発して稼げる人もいれば、雀の涙ですら稼ぐことのできない作家までいる。そのベストセラーを連発、さらにはメディアミックスまで果たして億単位で稼げる人もごくわずかであるが存在する。そう考えると夢のような職業なのかというと、先ほど書いたように実際にはそうなっていくのは一握り、いや「ひとつまみ」と呼ばれるほどの数で […]

坂下あたると、しじょうの宇宙

本書の主人公の友人である坂下あたるは高校生でありながらも文才もあった。特に詩をつくる才能に秀でており、雑誌をはじめとした紙上で詩を掲載し、人気を博している。本書のタイトルの後半に「しじょう」とあるのだが、「詩情」を「紙上」で表現し、「至上」の評価を得るといった3つの熟語をあわせてひらがなにしているようなものである。 ところが、インターネット上にある偽アカウントが詩を発表した。そのアカウントはAIで […]

指名手配作家

作家が何かしらの事件を起こし、警察に逮捕されることはちらほら存在する。不祥事の面も強くあるのだが、中には抗議活動により逮捕されるといった方もいる。 しかし本書で言うところの事件は殺人事件。しかも担当編集者の口論でヒートアップしてしまった結果、死なせてしまう悲しいものだった。自殺を試みようとするもうまく行かず、知人にかくまわれ、指名手配犯として追われる身となった。しかもその知人の作家デビューをゴース […]

みなさんの爆弾

人には誰しも、何らかの「爆弾」を持っているという。物理的に爆弾を持ってしまうと銃刀法違反にあたり逮捕されるため持っていないのだが、例えば怒りの導火線となる「逆鱗」もまた爆弾の一つである。もっと言うと、過去にあった出来事で生まれた「傷」をえぐる、あるいは塩を塗るようなこともまた「爆弾」として扱われる。 本書はその「爆弾」を持ちながらも、不器用に生きていく女性たちを描いた短編集である。方や中学生、作家 […]