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平凡社新書

幕末の先覚者 赤松小三郎―議会政治を提唱した兵学者

今こそ衆議院・参議院といった議会政治は行われている。もっともこの「議会政治」をなし得たのは帝国議会を樹立し「国会を創った男」として知られる板垣退助に他ならないが、板垣以前に「議会政治」を提唱した人物がいた。本書はそのうちの一人である赤松小三郎を取り上げている。 赤松は幕末にて活躍した兵学者、及び政治思想家だったが、大政奉還をされる少し前に上田藩へ帰国の途上で暗殺されるという非業の死を遂げた人物であ […]

アルバイトの誕生―学生と労働の社会史

本書は労働にまつわる歴史のなかでも「アルバイト」にフォーカスを行っている。元々この「アルバイト」の語源はドイツ語における「労働」や「仕事」を「Arbeit」と綴られていたことから来ている。いわゆる年や月単位における期間限定の雇用形態を表している。 本来であれば非正規雇用の一種であるが、中には期限を設けない正規雇用と同じような定義を持つアルバイトも存在しており、なおかつ派遣社員や契約社員、パートタイ […]

明治神宮 内と外から見た百年

毎年初詣客で賑わう明治神宮。例年であれば、大晦日から元日にかけて「終夜参拝」が行われていたのだが、一昨年の大晦日から昨年の元日は行われず、今回2年ぶりに「終夜参拝」が行われるようになった。オミクロン株の拡大の懸念もある中で多くの参拝客で賑わったという。 ニュースになったかどうかは不明だが一昨年の2020年11月に鎮座100年を迎え、「鎮座百年祭」が「静かに」行われた。元々明治神宮が都心でありながら […]

古典籍の世界を旅する―お宝発掘の目利きの力

本書は「古典籍」と呼ばれるものを紹介する一冊である。古典籍とは、 日本の古典籍は,慶應4年(1868年)以前に日本で出版・書写された書籍で,内容・形態がともに優れ価値が高い書物のこと「コトバンク」より抜粋 とある。つまりは江戸時代以前に残っていた活字・印刷物を表している。よく美術館・博物館などで展示している鳥獣戯画をはじめとした巻物もまた古典籍のひとつである。本書は歴史学的にも価値の高い「史料」と […]

江戸東京野菜の物語

日本の食糧自給率は38%(カロリーベース、2019年現在)で、そのうち東京における食糧自給率は長年1%と全都道府県中最下位である。そもそも東京には農業を行っているかという疑いの目もあるのだが、東京西部をはじめ、本書では江戸野菜、東京野菜を復興させるための動きもある。その動きはどのようにして変化していったのか、本書ではそのことについて取り上げている。 第1章「失われた野菜を探して―発見の物語」 実は […]

あきれた紳士の国イギリス

イギリスは、今年の1月31日をもってEU(欧州連合)を離脱した。これはヨーロッパの汎用化に反対したイギリスが国民投票を通じて離脱したのだが、経緯や核心については複雑なため、ここでは割愛する。 イギリスというとイメージとして「紳士の国」が強いのだが、実際にそうなのだろうか、ちょ写真が2011年から2016年までの5年間イギリスに在住して体感したことを綴りながら「紳士の国」の像に疑問を呈している。 第 […]

「自立できる体」をつくる―人生100年時代のエクササイズ入門

人は年を取っていくと、筋力が衰え、なおかつ精神的にも衰えを起こしてしまう。もっとも自立し続けるような状況にならないと、他人の介護を受けなければ生きていけないような状況に陥ってしまう。それを避けるために本書では「自立できる体」として、自分自身で生活動作を長らく続けていくためのトレーニング方法を伝授している。 第一章「大切なのは「自立できる体」」 最近では「アンチエイジング」と言う言葉が出てきており、 […]

貧困の倫理学

日本でも十数年前から「格差社会」と呼ばれているのだが、その格差は世界に目を向けてみると近づいてはいるものの、それほどでもないような印象を持たれている。その格差の中で生まれる「貧困」。その貧困によって生活が脅かされ、最悪命を落とす人も少なくない。その貧困は倫理学的に何を意味を成しているのか、本書はその倫理における原則や主義における考察を行っている。 第1章「援助の救命モデル―シンガーの功利主義的援助 […]

ジョルジョ・モランディ-人と芸術

有名な画家というと数多くいるのだが、20世紀に入って代表する画家というと一握りしかいない。またその中には美術の造詣が深くなければ知ることがなかった人物さえもいる。本書で紹介されるジョルジョ・モランディはどちらかというと後者といっても過言ではない。モランディは画家であるのだが、静物画をこれ以上ないまでに追求してきたと言われている。モランディは具体的にどのような絵を描いてきたのか、そのことを取り上げて […]

ゴーレムの生命論

ゴーレムというと空想上のもののように見えて、実のところユダヤ教があった世界にて魔術の取得の証とされていたという。もっともその証は「人造生命」としての存在なのであったのだが、そもそもその開発は「夢」となって消えた。 そこから2000年ほどたった今、「科学」の力で生まれようとしている。その生まれようとしている中で倫理的な観点で批判が巻き起こっている。そのことで論争が起こるのだが、そもそもゴーレムは必要 […]