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東京裁判

最後の参謀総長 梅津美治郎

靖国神社には戦争などによりなくなった方(戦死者、殉難者とも呼ばれる)が約246万柱祀られている。その中で14柱はA級戦犯にて東京裁判に掛けられ、絞首刑、あるいは獄死した。そのうちの一人として本書は「無言の将軍」と呼ばれた梅津美治郎を取り上げている。 第一章「「軍人勅諭」の子」 梅津美治郎は1882年1月4日、ちょうど明治天皇が陸海軍軍人に「軍人勅諭」を下賜した日と全く同じである。それ故に本章のタイ […]

東條英機 「独裁者」を演じた男

第二次世界大戦における枢軸国の先頭指導者というと、イタリアではベニート・ムッソリーニ、ドイツではアドルフ・ヒトラーといる。しかし日本ではと言うと、「軍部」と言うだけあり、明確な指導者は年々と変わってきており、明確ではない。しかしたった一人を上げるとなると、本書で紹介する東条英機が挙げられる。本書は東条英機を思想の偏りもなく、様々な日記や史料に基づいてありのままの生涯を紐解いている。 なお元々は東「 […]

東京裁判―フランス人判事の無罪論

大東亜戦争、および第二次世界大戦が終結してちょうど70年を迎えた。その終戦後、東京では、市ヶ谷にて極東国際軍事裁判(東京裁判)が行われ、多くの戦犯が裁かれた。特に東条英機をはじめとした7人のA級戦犯が死刑判決を受けた。その裁判の中でラダ・ビノード・パールは全員無罪の個別の判決文を出し、ベルト・レーリンクは何人かの戦犯を無罪にする判決文を出した。さらに無罪や減刑に関する個別の判決文を出した判事がもう […]

東京裁判を批判したマッカーサー元帥の謎と真実―GHQの検閲下で報じられた「東京裁判は誤り」の真相

今年第二次世界大戦、及び大東亜戦争が終結してから70年という節目を迎える。この70年間で世界的な情勢は大きく変わっていったのだが、それと同時に歴史に対する見方も多様になってきており、それによっての論争も激化していっている。もちろん事実は動かないものであるのだが、解釈が政治的ないざこざになるところを考えると、まだまだ戦争は終わっていないとも言えるのかもしれない。 その中で本書は昭和26年に新聞各紙に […]

松井石根と南京事件の真実

今年で終戦を迎えて69年経つのだが、未だに大東亜戦争をはじめとした第二次世界大戦の総括が続いている状況にある。その戦争を利用して、他国からカネを貪ろうとする所もあれば、謝罪を求めて、謝罪を行っても何度もやらせたがるような所もある。 大東亜戦争を通じて戦犯に指定された人物は数多くおり、A級・BC級併せて処刑された人は約1,500人に及ぶ。その中でもA級戦犯で処刑された人には東条英機や広田弘毅、板垣征 […]

速記者たちの国会秘録

国会・自治体や裁判所などで「縁の下の力持ち」と呼ばれる様な仕事は数多く存在するが、その中でも資料や記録として大いに役立つ存在として「速記者」がいる。とりわけ裁判所では判決記録や後半のやりとり、国会・自治体にいたっては「答弁」が挙げられており、国会に至っては解説されてから「一部を除いて」全ての答弁が記録されている。 本章では速記者でしか知らない国会の裏側について、速記者達を取材したものをまとめている […]

大川周明―イスラームと天皇のはざまで

東京裁判で唯一民間人として、A級戦犯で起訴された思想家・大川周明は天皇主義から、東京裁判を経て、病床でコーランの邦訳を完成し、退院してから1957年に逝去するまでの間は「瑞穂の国」を掲げ、農業活動にも取り組んだ。 本書は「国家主義者」から「大アジア主義」「東京裁判」から「イスラーム」へと変遷した経緯について考察を行っている。 第一章「戦前と戦後をつなぐ想像力」 大川周明の思想は最初にも書いたように […]

平和の発見―巣鴨の生と死の記録

ちょうど60年前の今日、A級戦犯7人が絞首刑に処せられた日である。 東京裁判が結審した時も60年前。当ブログでは数カ月にわたり東京裁判についての本を書評してきた。今回はちょうど一区切りということで本書を選んだ。ちなみに本書は昭和24年に初版されたのだが、今年の終戦記念日に新装復刊された一冊である。 本書は東京裁判にあたって、そして7人の死刑囚の巣鴨プリズン内での姿をありのまま映している。とりわけ明 […]

戦争責任とは何か―東京裁判論争をめぐる50問50答

今年東京裁判の結審及び7人の処刑執行60年を迎える。この60年経った今もこの東京裁判の定義に関する論争は後を絶たない。当ブログでは東京裁判にまつわる書評はいくつも行ってきた。私自身の意見としてはこの裁判は結局連合国の都合で終わったと言える。少なくとも「東京裁判は平和のために役に立った」のは完全な間違いであったというのは周知の事実であり、マッカーサーも同じように語った。本書はこの東京裁判、及び戦争責 […]

大川周明の大アジア主義

大川周明という人をご存じだろうか。大川周明は戦前、及び大東亜戦争中に活躍した思想家であり、民間人として唯一A級戦犯として起訴された人である。本書が大川周明の生涯とその思想について書かれている。大川周明というと「日本二千六百年史」や「「米英東亜侵略史」を読む」で取り上げているため詳しい歴史は省くとして、ちょっとブログの記事を読み返して訂正しなければならないところがあった。「日米開戦の真実 大川周明著 […]