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演劇

BIRTH×SCRAP

本書は2つの戯曲を取り上げている。しかもその戯曲は2編とも、著者が主宰する「劇団温泉ドラゴン」にて上演され、特にBIRTHは2015年に韓国の演劇祭に出展され、戯曲賞受賞を受けるなど、評価は高い。 さて本書で取り上げている2つの戯曲はどちらかというと「アウトロー」の色が強い。「BIRTH」は日本が舞台ではあるものの、「オレオレ詐欺(現在は「振り込め詐欺」と言う方が多い)」を主軸としている。事情によ […]

野田秀樹×鎌田浩毅 劇空間を生きる

まさに「異色の対談」といえる一冊である。方や演劇の世界にて生きる演劇人、方や火山学者。同級生ではあるものの、進んでいる道は全く異なる2人が演劇について語るというものである。 第I部「演劇界の旗手の軌跡」 第1講「子ども時代~夢の遊眠社──生まれと育ちと」 著者の一人である野田秀樹氏が生まれ育ち、そして演劇の世界に入るまでの所を取り上げている。さらに演劇の世界に入り、学生の時につくった作品まで言及し […]

劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方

今でこそ劇団四季はミュージカルを主とした劇団で全国各地に専用劇場が作られ、不動の人気を博している。その劇団は今から64年前に著者や今年の5月に逝去した日下武史ら慶応義塾大学の学生らが設立した。当時はミュージカルの認識は薄く、劇団自体もミュージカルを上演していなかった。劇団四季がミュージカルをやり始めたのは今から46年前の1971年、越路吹雪主演の「アプローズ」がヒットしたのをきっかけに次第にミュー […]

ラブコメの法則

ラブコメと言ったら何とも響きが良く、他にも思わず「ムフッ」としてしまうような感じさえしてしまう。しかしラブ(恋愛)だけでなくコメディの部分もあるので、笑いもほのかにある。そのことから自分自身にとっても好きなジャンルと言っても過言ではない。 さて本書であるのだが、そのラブコメの世界に映画でもって進出しようとするある映画監督を描いている。しかしその映画監督は、恋愛事は全くと言ってもいいほど疎く、その証 […]

蜷川幸雄の劇世界

「世界のニナガワ」と呼ばれ、数多くの芸能人を舞台に上げた演出の鬼・蜷川幸雄が今年の5月に帰らぬ人となった。稽古や本番前のリハーサルなどで怒鳴ったり、物を投げたりすることが多く、そのことから「鬼」と名付けられたといえる。しかしその妥協なき演出によって、アイドルを演劇の世界に踏み入れさせ、そして大成した方も少なくない。その妥協のない演出はどのようなものだったのか、長らく蜷川の演出を見続けてきた著者が解 […]

舞台の神に愛される男たち

舞台というと色々あるのだが、本書では演劇や歌舞伎と言った数多くの人々が彩る所を「舞台」と定義している。その中では主役が最もスポットライトを浴び、演技をこなしていくのだが、そのこなしていく中で「名脇役」とも呼ばれる人物もいる。もちろん名脇役と呼ばれる方々の中には主役を張っていた時期もあり、その経験から脇役として主役を支えている人もいるのだが。 本書はその舞台で脇役としても主役としても支え続けていた名 […]

人生に座右の銘はいらない

私自身、座右の銘を持っている。ルネ・デカルトが「方法序説」の中で語った「cogito ergo sum(我思う、ゆえに我あり)」である。この言葉が後に「懐疑哲学」の礎となったのだが、私自身は物事を疑ってかかると言う意味合いで、座右の銘としている。実際にこうやって本を読むことが多く、それでいながら、対照的な思想の本にも手を出すことがあるので、疑ってかかってこないと、考え方そのものがあやふやになってし […]