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相撲

櫓太鼓がきこえる

今年の相撲はまさに新しい風が入ってきたと言うほかない。1月の初場所は御嶽海が3度目の優勝を飾り、大関昇進を飾った。3月に行われた春場所では御嶽海の大学時代の後輩にあたる若隆景が初優勝を果たした。次の夏場所ではどのような風が吹くかが期待される。 相撲界における「新しい風」は何も力士ばかりではない。本書で紹介する「呼出」もまた同じように新しい風が入ってくる。その新しい風は高校を中退して、叔父の薦めで相 […]

すなまわり

本書のタイトルにあるものは簡単に言えば「土俵」のことを表している。土俵は砂で覆われつつ、ラインが引いてある。周囲には藁に囲まれ、神聖な場所としても挙げられる。 ちなみに本書の主人公は力士かと思いきや、力士の夢敗れて行司の道を選んだある若者を取り上げている。 力士になることの夢、そして力士の夢を破れた絶望、そしてその代わりの道となる行司へと進んでいった。その行事になり、取り組みを取り仕切ることになっ […]

大相撲大変

いよいよ明日、大相撲初場所が始まる。白鵬が新記録となる33回目の優勝を飾るのか、はたまた他の横綱勢・大関勢が奮起をするのか、そして日本人力士の活躍はどうなるのか、話題はてんこ盛りであるのだが、そもそも大相撲の世界はここ20年あたりで大きな変化を遂げてきた。初めて外国人横綱・曙が誕生したのは1993年3月、今から22年も前のことである。その後日本人横綱が2人誕生して以降、武蔵丸からはずっと外国人の横 […]

横綱大鵬 晩節のかがやき

も一昨日、大相撲九州場所にて、横綱・白鵬が歴代最多タイとなる32回目の優勝を果たした。その一方で、だめ押しや懸賞金の取り方が横綱審議委員会で問題になり「態度が悪い」と批判する声もあった。っとも「横綱の品格」とはいったい何なのか、大鵬と白鵬とはどのような違いがあるのだろうか、本書は大鵬の相撲時代を振り返りつつ、晩節の潔さと横綱の品格について取り上げる。 第一章「国技再生を託す「新しい風をふきこめ」」 […]

生きざま~私と相撲、激闘四十年のすべて

ポプラ社 様より献本御礼。 私が小さい頃の角界は「若貴フィーバー」と呼ばれる中で第六十五代横綱 貴乃花光司は絶対的な強さと人気を有した。相撲としてスター街道を進みながらも、度重なる怪我やスキャンダルに苛まれた。しかしそれにもめげず優勝街道を突き進み、そして引退。その後骨肉の争い、親方への再起など波瀾万丈に満ちていた。 「若貴フィーバー」の時代、同期と呼ばれた力士の中には、現在親方として角界に残った […]

角界モラル考―戦前の大相撲は「おおらか」だった

近年は「モラル」や「八百長」などで騒がれている角界であり、かつ横綱白鵬が一強時代を築いたが、それが崩れ始めいよいよ戦国時代と呼ばれるようになり、だんだん面白くなってきたとも言える。 そもそも角界は「神聖」なものなのかと思ってしまうが、本書を読むと「高潔」かつ「神聖」な存在の相撲のイメージが崩れる。しかしなぜ「神聖」で「高潔」なものになっていったのかがよくわかる。 戦前、戦後間もない時、そして現在の […]

横綱の品格

今年の始め、横綱白鵬が連勝を重ね、双葉山の記録した69連勝を更新するのではないか、と囁かれ始めた。しかし記録は稀勢の里に敗れ連勝は63でストップしてしまった。69連勝の壁の厚さというのを感じさせた印象だった。その双葉山も前人未踏の70連勝にならなかったとき、師と仰ぐ安岡正篤に打電した、「未だ木鶏たりえず」も名言としてあげられている。 本書は横綱としてどうあるべきかを説いているように見えるタイトルで […]

大銀杏を結いながら

昨日の昼に、大相撲春場所の中止が正式に決まった。八百長問題から端を発した一連の不祥事による中止は史上初であり、それ以外の理由での中止は戦後間もない時の中止(1946年夏場所)以来の事である。よく「相撲は国技」と言われているのだが、実際にそう名付けられた理由としては深い理由付け、例えば法律に制定されているような確固たる証拠はなく、相撲の聖地として「両国国技館」という名にしたと言うことからつけられたと […]

悲しき横綱の生涯―大碇紋太郎伝

横綱朝青龍が5場所ぶり23回目の幕内優勝を飾った今年の初場所。先頃までの横綱の品格や八百長問題が飛び交ったのを一気に吹き飛ばした感じであった。あれだけ批判していた漫画家のやくみつる氏も今回ばかりはさすがに称賛した(ただし、立ち振る舞いは非難したが)。しかしそのような状況でも角界の課題は山積の状態が続いていることは事実である。 さて本書の話に入るが、本書はいまから100年以上前の角界の様子、とりわけ […]

力士の世界

まずは、本書の表題には力士と書いてあるが、ここでは「ちからびと」と呼ばれている。なぜこう呼ばれたのかというのは相撲を見ても本書を見てもよくわかる。そもそも相撲というのは肉体的な力と力のぶつかり合いである。力と力のぶつかり合いで言ったらK-1やプロレスもそうではないのかという気がするが…。 本書は昨年の春場所に引退した元行司の33代目木村庄之助が相撲のすべてを語っている。それだけではなく「横綱の品格 […]