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角川選書

社をもたない神々

日本には「八百万」と呼ばれるほど、沢山の神がいることが信じられている。特に神道ではそのことが色濃く信じられ、それぞれの神が祀られる神社などの「杜(もり)」が点在している。しかしながら漫画「ノラガミ」の主人公である夜ト(やと)と同じように杜を持つことのない神もいるのだという。その神々たちはどのような神がいるのか、そしてどのようにして伝えられていったのか、そのことについて取り上げている。 第一章「歳神 […]

死者と先祖の話

かつて小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが「日本は死者の国」と述べたことがある。それは日本は生も死も地続きであり、なおかつ神様も死者も同じ場所に同居し、なおかつ祀られるといったことを表している。そのためか、死者にまつわる話については宗教の話で語られることはもちろん、日本では民俗学の中でも語られることがある。それは祭礼の所にも含まれるためでもある。 死者と先祖を民俗学の世界ではどのようにして考察してい […]

忍者の歴史

海外で認知されるステレオタイプの日本として挙げられるものの中で「忍者(NINJA)」がある。忍者自体は独特な存在としてあるのだが、海外では「スパイ」といった諜報活動、さらには「ヒットマン」といった「殺し屋」といったことを忍者によって行われたと言うものである。日本でも忍者を題材とした創作物があるため、歴史的な存在の中でも有名な部類に入るのかもしれない。その忍者の歴史と役割、そして今ある忍術書はどのよ […]

葛飾北斎の本懐

葛飾北斎という名前を聞いて思い浮かぶものと言うと「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」や「北斎漫画」などがある。その中でも前者の中における「神奈川沖浪裏」と呼ばれる荒波を描いた絵は歴史の教科書に載るほど非常に有名なものである。そのために江戸時代後期の中における「化政文化」を代表する画家であるのだが、しかし北斎は画業に執念を燃やすあまりに埋もれてしまった作品・エピソードなどがある。そのことを掘 […]

家庭でたのしむ科学の実験

「理系離れ」と言われて久しいが、そもそも理系の授業が難しいというよりも、「楽しさ」を教えていないのではないか、ということを勘ぐってしまう。中でも科学は「物理」「化学」「生物」とあるのだが、それぞれの楽しさがあるものの、用語や公式を覚えるだけで終始してしまうこともある。 その「科学を楽しむ」ためには専門の機関で実際に行って感じ取る事が必要なのかというと、家庭でも科学を楽しむことが可能であるという。本 […]

「ぐずぐず」の理由

予め断っておくが、本書は「ぐずぐず」している状況を理解し、対処するような本ではない。鈍くさかったり、ゆっくりしたりしている様子を、オノマトペとして「ぐずぐず」と表現しているのだが、いったい何故なのかと言うことを解き明かしている。もっとも「ぐずぐず」に似たオノマトペは数多く存在しており、各の意味を持っている。では「ぐずぐず」のようなオノマトペが日本語として果たした役割とは何か、そしてオノマトペは日本 […]

茶の湯の歴史

「茶の湯」、いわゆる「茶道」の歴史は千利休が創始した「わび茶」が有名だが、実際の所歴史を紐解くと中国大陸の歴史からずっとあるのだという。「茶の湯」や「茶道」というと、奥ゆかしく、敷居が高いと思われがちだが、現在に至っては世界中に広がりを見せており、もはや大衆でも茶道の様式は広まりつつある。もっと言うと茶道の流派自体も、有名な「三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)」を始め数えるだけでも2桁は存在す […]

妖怪学の祖 井上圓了

「妖怪」の話は日本でも大昔から言い伝えられている、古くは「祟り」として人に疫病をもたらすと言われていた。江戸時代にはいると、「瓦版」と呼ばれる現在のニュースが妖怪にまつわる話を載せるようになったのだが、大概は迷信やデマだったという。 その妖怪の話について「学問」として確立し、妖怪の歴史や民話を集め体系化させた学者がいる。その学者の名は「井上圓了」。本来は哲学者・宗教学者出会ったのだが、なぜ「妖怪学 […]

遠野物語と怪談の時代

夏はそろそろ終わりを迎えるが、夏になると「怪談話」をよく聞く。「怪談」は落語の世界でも良く出てくるものとして「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」や「怪談 牡丹灯籠(かいだん ぼたんどうろう)」といった、いわゆる「怪談噺」がある。童話の世界でも怪談は存在しており、有名どころでは小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)がよく知られている。 日本にも怪談にまつわる伝説が存在しており、柳田國男をはじめ多くの民俗 […]

タネも仕掛けもございません 昭和の奇術師たち

「タネも仕掛けもございません」 マジシャンがマジックを行う際に使われる名門句である。最近では驚かせるようなマジックやイリュージョンが乱舞しているようにも見える。「すごい」と言える反面、それをやり続けるとだんだん飽きられてくるのではないか、とさえ思ってしまう。マジックはマジックでもナポレオンズやマギー司郎のようなマジックだと驚きと「笑い」があるので、むしろそちらの方が長く続けられるという印象がある。 […]