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2016年11月22日

abさんご

本書は第148回芥川賞を受賞した作品である。もっと言うと史上最高齢で芥川賞を受賞した作者であり、作品である。しかし本書は中編でありながら、小説のあり方を大きく覆すような一冊である。 何が覆しているのかというと、本書には人を指すような「固有名詞」が一切ない。しかももっと言うと途中までは横書きで左読みなのだが、最後の一篇だけは縦書きで右読みとなっている。そう考えると今まで小説を読んだ方々にとっては「何 […]