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妖怪

おとぎカンパニー 妖怪編

明けましておめでとうございます。本年も「蔵前トラックⅢ」をどうぞよろしくお願いいたします。 新年最初の書評はこちらです。 —- 本書はタイトルにある「おとぎカンパニー」三部作の3つ目にあたる一冊である。おとぎ話に出てくるキャラクターが会社を構えて、活動を行うというようなショートショートと呼ばれる一冊であるが、本書は「妖怪編」のため、古今東西の妖怪たちが会社をつくって活動をするというもの […]

もののけの日本史-死霊、幽霊、妖怪の1000年

今となっては心霊番組はほとんどないと言えるに等しいが、もののけや幽霊にまつわる怪奇作品は少なからず残っている。しかしこれらはある種の「娯楽」という側面が強い。 心霊や妖怪といったものは現代というよりも、むしろ「日本霊異記」をはじめとした伝説や古典などで取り上げられることが多く、なおかつ伝承としても扱われることも度々ある。本書はその霊や妖怪といった「もののけ」について古代から近代にいたるまでの間、ど […]

鬼とはなにか―まつろわぬ民か、縄文の神か

明けましておめでとうございます。2021年も「蔵前トラックⅢ」をどうぞよろしくお願いいたします。新年一発目・・・としてはなんですが、この書評からスタートいたします。 — 最近でもよく話題となっている「鬼滅の刃」だが、昨年10月に映画化されるやいなや、社会現象にまでなり、とうとう興行収入が300億を超えるまでになった。日本に限らず海外でも公開されており、国内外にて人気を集めるほどにまでな […]

日本人はなぜ妖怪を畏れるのか

昨年・一昨年あたりから「妖怪ウォッチ」のブームが起こっており様々なメディアで取り上げられるほどである。それに限らず「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめとした妖怪を扱うマンガ・アニメ作品は数多く存在する。 「妖怪」を取り上げられるような作品は今でこそ親近感があり、ブームと呼ばれているのだが、実はある種の「リバイバルブーム」であるという。ではその前にいつ頃ブームが起こったのかと調べてみると「井上円了(いのうええ […]

夜市

「夜市(よいち)」は簡単に言うと夜に店を出す市場の事を言い、本書は主人公の家からかなり離れた公園で開かれていた不思議な夜市を舞台にしたホラー作品である。しかしホラー作品と言ってもヒューマンドラマも入っており、読み終わると非常に心温まる感じになる。 まずなぜ「不思議」なのかと言うと、本書で挙げられる「夜市」は妖怪たちが様々な「モノ」を打っていることにある。もっと言うと「モノ」は物体もあれば才能など目 […]

妖怪学の祖 井上圓了

「妖怪」の話は日本でも大昔から言い伝えられている、古くは「祟り」として人に疫病をもたらすと言われていた。江戸時代にはいると、「瓦版」と呼ばれる現在のニュースが妖怪にまつわる話を載せるようになったのだが、大概は迷信やデマだったという。 その妖怪の話について「学問」として確立し、妖怪の歴史や民話を集め体系化させた学者がいる。その学者の名は「井上圓了」。本来は哲学者・宗教学者出会ったのだが、なぜ「妖怪学 […]

江戸の妖怪事件簿

新聞の馴れ初めは、江戸時代の「瓦版」と言うのがあった。俗に「讀賣」と呼ばれていたものであり、町民にとっては重要な情報源であった。しかしその瓦版は今のように事実が書かれていることもあったが、その中でもデマや妖怪が出たと言った話も多かったのだという。 江戸時代だけではないのだが、妖怪と人間にまつわる物語や話と言ったものは沢山あり、実話にあるのではないかと信じている人も少なくない。元々日本では「死者の国 […]

怪異の風景学―妖怪文化の民俗地理

梅雨が明けるといよいよ夏本番である。うだる様な灼熱地獄が来るのかというと嫌になる今日この頃であるが、そんな暑さを吹き飛ばすものとして代表されるのが怖い話と言った怪談である。怪談と言うと稲川淳二や小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)というのが思い浮かべると思うが、アニメや漫画、映画やドラマを問わず、怪談話というのは枚挙に暇がない。 また怪談に関する民俗学もいくつか出されており、怪談と最近の日本文化という […]