なぜ大企業が突然つぶれるのか 生き残るための「複雑系思考法」

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「栄枯盛衰」と言う言葉がある。いくら安定的に成長を続けている企業でも、衰える時期が来ることもあれば、突然倒産することはごく自然にある。もっとも1997年には、絶対つぶれないと思い込んでいた銀行や証券会社も倒産するというようなことが起こっている。なので、どんな企業であっても倒産するリスクは存在しており、なおかつリストラに対しても同じことが言える。本書は製造業の危機も兼ねて、大企業が倒産する可能性のあるサバイバルな時代の中でどうあるべきかを説いている。

第一章「なぜIT革命は“有史以来最大の衝撃”なのか?」
「IT革命」というと2000年あたりのイメージがあるのだが、実際には1998年から言われ始めている。最初にも書いたのだが、その1年前には銀行や証券会社が倒産している。そのIT革命によって、ネットのインフラが構築し始め、もはや多くの業務はITなくしては不可能になってきている。また情報の蓄積もネット上の「アーカイブ」でもって保存されるようになり、情報も容易に探せる、あるいは手に入れるようになった。また本章では東日本大震災と情報収集や政府対応についても言及している。

第二章「あなたは「複雑系」を知っていますか?」
「複雑系」というと最近では大学でも「複雑系」の情報を学び、技術を開発するようにでき始めたのだが、そもそも「複雑系」とはいったい何なのか。それは、

「もともと複雑系とは物理学や経済学の用語で、「部分が全体に、全体が部分に影響し合い、要素ごとに切り分けた分析が困難なシステム」のことを指す」(p.40より)

とある。ありとあらゆる点で情報やシステムが複雑なものであるが、そういったものをありとあらゆる観点から分析を行う必要があるのだが、本章ではITの繁栄と複雑化について分析をしている。また日本企業にある「自己組織化」の定義と功罪についても取り上げている。

第三章「2020年・日本の携帯電話メーカーは全滅!?」
今、日本の携帯電話メーカーは世界的に見ても「ガラパゴス」の様相を見せており、世界的に戦っているようにとても思えない。また、携帯電話業界への参入のハードルが低くなったにもかかわらず、それでもほぼ寡占状態にある。さらに、スマホの料金も高くなっていることから、政府がその料金を下げるように指示を出したこともあった。こういったガラパゴス化は世界的に見ても異端児的な存在であり、それが特徴となる側面もあるが、本章ではむしろリスクでしかなく、それが引き金となって東京オリンピックが行われる2020年には全滅するかもしれないという悲観的な見方をしている。

第四章「IT鉄砲論―こうして個人は生き残れ!」
複雑化・サバイバル化しているなか、日本企業の中で苦境に立たされているところが多い。その中で一社会人はどのように生き残ったらよいのか、会社がらみというよりも個人にフォーカスして伝授している。

第五章「ビジネス書が薦める「武器」のウソ・ホント」
ビジネス書には色々なノウハウが書かれており、当ブログでも数多くの本を取り上げている。その中でも資格や技術、教養やアイデア、スキルなど様々な要素について、今の状況の中で役立つのか、そのことについてウソかホントか判別している。もちろんどちらがよいかもあれば、条件付きなどもあり、それぞれについて説明されている。

第六章「スティーブ・ジョブズの偉大なリーダーシップ」
2011年10月にスティーブ・ジョブズが逝去した。iPodやiPhone、iPadをはじめ、さらにはMacintoshの筐体など様々なアイデアを生み出し、そしてそれを形にし、アップルを巨大企業に押し上げた凄さは亡くなって4年経っても未だに語り継がれている。その中でも著者はリーダーシップに着目し、ジョブズのリーダーシップの中で何を身につけるべきか、そのことについて取り上げている。

第七章「「ターム制」で公務員を元気にしよう」
公務員の働き方も著者は「ターム制」を提言している。「ターム制」とは、

「ターム制とは、公務員組織のポストに十年などの「任期」を設定して、任期が終わるごとに組織内外からの公募で新たな人物を選び治すやり方のことだ」(p.184より)

とある。そのターム制を利用することによって、公務員にも人的な循環を起こし、国民に対するサービスの質を向上することができるという。

第八章「経済産業省が教育を担う日」
当たり前だが教育を担う省は文部科学省なのだが、デジタル教科書や産業教育などの面で経済産業省が教育の役割を担うだろうということを主張している。

大企業であっても倒産するリスクはあるし、どのような会社・公務員に就職しても「定年まで安定して働くことができる」という保証は存在しない。そのような状況の中でどうやって生き残れば良いのか、それは今いる労働者全体に問われていると言える。

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