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2013年11月

戦後日本の聴覚文化~音楽・物語・身体

「聴覚文化」というのは、簡単に言うと「ラジオ」をはじめ、最近ではオーディオなど、耳を通じて楽しむ、知ることのできる文化のことを表している。テレビなどの視覚文化は日本において戦後になってから始まったのに対し、ラジオは昭和時代に入ってからのことであり、戦争の政局などのことを伝えるための手段の一つとして挙げられた。 本書は日本において長らく続いた「聴覚文化」を日米関係、さらには昨今発達している電子メディ […]

鉄道未完成路線を往く

鉄道は私たちの生活にとって無くてはならないものである。私の住んでいるところにもJRや江ノ電が存在する。東京行けば多くのJRをはじめ私鉄路線、新幹線もたくさんある。 しかし鉄道・新幹線の中には、新たに建設しようとしたのだが、幻に終わってしまったものも存在しており、その名残が残っているものもある。本書は全国各地にある、「夢の跡」「残滓」というべき、果たされなかった新しい鉄道の名残についてを追っている。 […]

人生最強の武器 笑い(ジョーク)の力――ユダヤ人の英知に学ぶ

「笑い」には様々な歴史が存在する。諸外国の文化には「ジョーク」が醸成されており、「英知」の塊として取り上げられることもある。 「笑い」の力は無限であるのだが、それはなぜ存在するのだろうか、そして「笑い」はどのような文化を形成づけたのだろうか。本書は英知からなる「笑い」についてスポットを当てている。 1章「「笑い(ジョーク)」は頭を研ぐ砥石」 「笑い」は知力を磨くための「砥石」と言われているという。 […]

C級戦犯がスケッチした巣鴨プリズン

「巣鴨プリズン」というと、東条英機をはじめとしたA級戦犯7人が絞首刑となった場所としても知られており、東京裁判にかけられた被告達が修養された場所としても知られている。その収容された人の中にはC級戦犯として服役していたある人物が500枚ものスケッチにしてしたためている。獄中生活を「日記」「手記」と言う形で、文章にして記録していたものは重光葵、笹川良一をはじめ何人かが書籍にして表されていたのだが、スケ […]

魯迅――東アジアを生きる文学

魯迅というと「阿Q正伝」「狂人日記」「故郷」といった作品が有名であり、日本にも留学経験があることから、中国大陸・日本双方の国で愛されている数少ない作家の一人である。 作家としての魯迅、いち中国大陸の人としての魯迅、東京・仙台に留学を経験した魯迅、思想家など学者として活躍してきた魯迅、と様々な「魯迅」の顔が見える中で、本書は魯迅の生涯にスポットライトを当てると共に、どのような変遷で多くの名作を生み出 […]

ビジネスプロフェッショナルの教科書

日経BP社 村上様より献本御礼。 MBA(経営学修士)を取得する技術として、「考え方」「会計」「ビジネスモデル」など、あらゆる角度から考え、取得する必要がある。常に「不確実性」のあるビジネスの世界にとって、多くの知識・知恵を身につける必要がある。様々なことを学ばなければならないのだが、どのようなものを身につける必要があるのだろうか。本書は思考・計算・戦略・マーケティング・財務諸表・経済学・コミュニ […]

不幸な国の幸福論

「今の時代に希望はあるのか」 それは私に限らず、日本人全体に問うべき課題とも言えるものである。高度経済成長は「豊かになりたい」というただ一つの目的があって、実感できる成長を見出すことができたため「希望」を持つことができた、しかしバブルが崩壊し、誰もが目的そのものを失いつつ蟻、幸福や希望をも失ってしまっているように思えてならない。いや、むしろ「不幸」の種を蒔いているのは社会や国ではなく、私自身なので […]

中国人エリートは日本人をこう見る

世界を股にかけて活躍する日本人も中国人も少なくない。中でも中国人は日本をはじめとした先進国、さらには発展途上国問わず世界的にビジネスを展開している。中でも日本は中国のエリートの中では好印象を持っているという。中には「日本が好き」と公言する中国人エリートも存在するという。 国家間ではギクシャクしている日中関係だが、民間では好意的な人がいるのはなぜなのだろうか。本書は北京大学に留学し、中国事情にも詳し […]

二人で生きる技術─幸せになるためのパートナーシップ

「夫婦共白髪まで」と言う言葉が死語になりつつある。その要因として価値観の相違が許されない、あるいはすれ違いの多さ、さらには恋愛観の多様化、など様々なものがある。そのために夫婦で長らくいることがなかなか難しいという。 しかし本書は「夫婦」の物語ではない。新宿・歌舞伎町のゲイバーの店主と男性パートナーの関係について綴っている。偏見を持たれる方もいるかもしれないが、多くの困難を乗り越えて、こうして「二人 […]

ビジネスは「非言語」で動く 合理主義思考が見落としたもの

ビジネスは「言葉のやりとり」なのかもしれないのだが、言葉では言い表せない「非言語」の部分もあるのだという。著者である博報堂ブランドデザインでは、ビジネスにおける「非言語」とは何か、そしてどのように役立つのかを分析し、解き明かしている。 第1章「「たとえ」は、なにを伝えているのか」 「たとえ」はある事象のことを引き合いに出して説明することを表している。喩えの方法によって相手が伝わりやすくなるのか、伝 […]