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水の家族

本書は小説と言うよりも「叙情詩」の分類に入るのだが、「死」と「生」について「水」を媒介として映し出している一冊と言っても過言ではない。 死者の目線、生者の目線、その目線の先にある「現在」と「過去」が詩でもって表現されており、なおかつ日常と非日常を重ね合わせながら映し出している。 「生」の水といえば川や海、さらには生活用水などもあれば、生まれてくる時は子宮の中にある羊水でもって命を育ませる。そして「 […]

弔い論

「弔い」とはいったいなんなのだろうか。調べてみると、 「1.人の死を悲しみいたむこと。  2.送葬。葬式。のべのおくり。  3.法事。追善。」(「広辞苑 第六版」より) とある。つまり亡くなられた方への追悼の意味をなしている。「死」と「生」、「死者」と「遺族」と「弔問者」の関係について「靖国神社」や「折口民俗学」などに触れながら考察を行っている。 第1章「幼子の死と弔い―子どもの近代と生死の諸相か […]

愛する者の死とどう向き合うか―悲嘆の癒し

愛する者の死。 それはあなたを育ててくれた親族であったり、あなたの支えになってくれた伴侶・恋人であったり、あなたと共に頑張ってくれた友であったり…。 「愛する者」というのは「誰」と一概には語れない。 しかし人の「死」というのは必ずやってくる。 私は残念ながら人の「死」に直面したことはほとんどない。 しかしこれからやってくるだろう。 もしもあなたの目の前で、あまりに突然なことで、愛する人が死んだらあ […]

生老病死の哲学

人には「生」「老」「病」「死」という4つの宿命がある。その4つにどのような哲学が込められているのか本書はそのことについて書かれている。 「生」 仏教とソクラテス、そしてローマの哲人セネカの言葉から始まる。ここでは後者の2つについて挙げる(両方ともp.3より)。 「真正に哲学する人々は死ぬことを練習している」(ソクラテス) 「哲学者の全生涯は死の思惟である」(セネカ) 宗教も哲学も最終的には「私」と […]