TAG

フィクション

恋づくし – 宇野千代伝

元々私自身は宇野千代という人物について名前以外は知らなかった。しかし今から6年前の秋に「私のおとぎ話」という本に出会ったとき、ようやく人物・本に巡り合うことができた。元々寡作だったこともあり、作品自体になかなか出会えなかったのだが、犯罪以外様々なことに手を出した姿から、その経験や教訓を童話にしたためた作品は、今まで童話をいくつか読んだことのある私にとって身震いするほどの感動を覚えた一冊である。 本 […]

夢はトリノをかけめぐる

もう終わって半年経つのだが、今年の2月にロシアのソチで冬季オリンピックが行われた。男子フィギュアスケートの羽生結弦選手を始め多くの選手が活躍し、メダルを獲得した。 さて本書の話に映るのだが、そのソチオリンピックの2大会前、イタリア・トリノで冬季オリンピックが行われた。しかしこの時の日本代表選手団は不振に次ぐ不振で、メダル獲得ゼロとまで言われるほどだった。しかし女子フィギュアスケートで荒川静香が金メ […]

神さまの贈り物

「こんなことをいきなり話しても、だれも信じてはくれないと思う。  だけど本当にぼくは、天使と心を通わせたんだ。」(p.7より) 主人公は12歳の少年であるが、両親の仕事の関係で物語の舞台へと引越すことになった。物心の付いた頃から両親は働いていて、スキンシップがほとんど無く、愛情という愛情もほとんど受けたことがなかった。引越してからも親の愛情を受けることがなかったのだが、家の不思議さに不安を覚えた。 […]

宝くじが当たったら

私は、社会人になってからは宝くじを買ったことがない、いや、買わないようにしている。実際に当たる可能性も低いと言うのもあるし、実際に1等○億円をもらったとしても、もらった後はある種の地獄が待っているように思えてならないからである。実際に億単位の当選金をもらって、そこから実際に悲劇に遭遇した人もいることから、「正負の法則」という物じゃないけれども、ラッキーなことがあればアンラッキーな事が、逆に苦労もあ […]

小説あります

小説はフィクション、ノンフィクションはあれども、幅広いジャンルまで扱っている。しかし今も昔も人はなぜ小説を読むのだろうか。 私自身もこの「蔵前トラック」で本を紹介し始めた頃、小説は全くと言ってもいいほど読まなかった。読書観は人それぞれであるが、「使わなければ意味がない」「実践しなければ意味がない」と言う考えであれば、小説はいらないのではないかとさえ思ってしまう。 しかし小説は作家ファンも含めて今も […]

骨の記憶

「骨」 私たちには様々な骨によって形成づけられている。これは人間に限らず骨を持つ動物、さらには店や会社では「屋台骨」という言葉があれば「骨格」という言葉があるなど「形」をつくられるためにおいても重要な役割を担っている。 それはさておき、本書は2部構成に分かれており、タイトルにある「骨」は第2部に書かれている。それぞれフィクションとノンフィクションに分かれている。とりわけ後半は実在した人類学者をモデ […]

預言

本書を紹介する前に、「予言」と「預言」の2つの言葉の違いを紹介したい。 「予言」・・・未来の物事を予測して言うこと。また、その言葉。 「預言」・・・キリスト教で、神託を聴いたと自覚する者が語る神の意志の解釈と予告。また、それを語ること。(いずれも「goo辞書」より) 本書はタイトルにあるとおり後者のことを指しており、9.11事件以後の世界をフィクションという形で映した作品である。 「9.11」と「 […]