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怪談

黒木魔奇録 魔女島

「怪談」となると、夏の風物詩として持て囃されることもあるのだが、実の所を言うと、冬でも怪談を扱うような本や作品も多くある。根っからの怪談好きの方もいれば、おそらく冬に怪談を見聞きするときの恐怖感がたまらない方々もいるのかもしれない。ちなみに私は怪談が好きかどうかと聞かれると、「特に好きでもなく嫌いでもなく」と答える。 私事はさておき、本書はコロナ禍ならではも含めた選りすぐりの怪談を取り上げている。 […]

攫い鬼 怪談飯屋古狸

今し方の時期だと怪談はシーズンとは言えないかも知れない。しかし怪談好きの方々であれば季節問わずして興味深くご覧になる方も少なくない。 ちなみに本書は怪談のシリーズとしてある「怪談飯屋古狸」の第3弾でもあり、本作で完結となるものである。 江戸時代に一風変わった飯屋があった。その飯屋は怪談を聞かせる、あるいは怖い場所に行き、体験を行うと、無料になるという飯屋である。そこから出てきた怪談や体験談、依頼事 […]

怪談のテープ起こし

何度か知り合いに頼まれて講演や打ち合わせなどのテープ起こしを行ったことがあるのだが、聞いた内容を文字にすると言った単純作業がテープ起こしである。しかし本書のタイトルを見ると「やりたくない」と思ってしまうようなものである。 本書はおどろおどろしいような怪談をいくつか収録している短編集であるのだが、一つ一つの物語に怖いところが散りばめられており、背筋が寒くなるような感情に陥ってしまう。 実際にその物語 […]

落語魅捨理全集 坊主の愉しみ

落語の世界は様々なストーリーを紡いでいる。もっとも滑稽な話が多いのだが、三遊亭圓朝や初代談洲楼燕枝が作った落語の中にはミステリー要素のあるものもある。中でも有名なものとして三遊亭圓朝が創作した大作「真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)」といったものがある。怪談噺であるが、かなりミステリー要素が埋め込まれており、落語好きな人々にとって怖さと面白さが垣間見える。 本書は滑稽や人情、さらには長屋噺といった […]

晴れ女の耳

元々は怪談の短編集だが、その短編一つ一つ読んでみると、今まであった怪談にまつわる童話にも似たようなタッチで描かれており、なおかつ読みやすく、しかもメッセージ性も強くのこる作品集だった。 そのメッセージの中身は単純に言えば「命」。その「命」の中身は悲しいものもあれば、大切さを学ぶような部分もある。怪談話ではあるが思っているほど怖いものではなく、むしろそういったことを知ることができる。 以上のことから […]

私はフーイー 沖縄怪談短篇集

残暑厳しい季節なのだが、もうすぐ夏は終わるような季節でもある。そのような季節に怪談はどうかと思ってしまうのだが、それでも沖縄で語り継がれている民謡を着想し、怪談をつくっているのが本書である。 本書は沖縄で代々伝わる怪談と言うよりも、先ほども述べたとおり、沖縄の文化から着想して紡がれた民話が7編収録されている短編集である。 私自身怪談はそれ程好きではないのだが、そもそも「沖縄の怪談」となるとどのよう […]

遠野物語と怪談の時代

夏はそろそろ終わりを迎えるが、夏になると「怪談話」をよく聞く。「怪談」は落語の世界でも良く出てくるものとして「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」や「怪談 牡丹灯籠(かいだん ぼたんどうろう)」といった、いわゆる「怪談噺」がある。童話の世界でも怪談は存在しており、有名どころでは小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)がよく知られている。 日本にも怪談にまつわる伝説が存在しており、柳田國男をはじめ多くの民俗 […]

あんじゅう―三島屋変調百物語事続

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。 本書は朝日新聞の朝刊で連載されていた作品を単行本化したものであり、「おそろし」の続編でもある。タイトルを漢字に直すと「暗獣」と書く。 舞台は江戸時代、「三島屋」という袋物屋である。場所で言うと神田、東京の中心部からほど近いところにある。その「三島屋」の行儀見習いの基にやってくるお客さまはちょっと奇妙で不思議な人たちばかりである。 私自身、宮部作品は「模倣犯 […]

怪異の風景学―妖怪文化の民俗地理

梅雨が明けるといよいよ夏本番である。うだる様な灼熱地獄が来るのかというと嫌になる今日この頃であるが、そんな暑さを吹き飛ばすものとして代表されるのが怖い話と言った怪談である。怪談と言うと稲川淳二や小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)というのが思い浮かべると思うが、アニメや漫画、映画やドラマを問わず、怪談話というのは枚挙に暇がない。 また怪談に関する民俗学もいくつか出されており、怪談と最近の日本文化という […]

江戸歌舞伎の怪談と化け物

今日はちょっと縮小といった感じで。 当ブログの題名は「蔵前トラックⅡ」であるが、これの起源は落語の演目からきている。四代目(自称九代目)鈴々舎馬風が「蔵前駕籠」という題目の「駕籠」を「トラック」に改変して口演したのである。詳細はウィキペディアのほうが詳しいが、ただし今も馬風はいるがそれは五代目である(芸風はよく似ているが)。上記の四代目馬風で調べたほうがいいだろう。 さて怪談と言えば落語にとっても […]