晴れ女の耳

元々は怪談の短編集だが、その短編一つ一つ読んでみると、今まであった怪談にまつわる童話にも似たようなタッチで描かれており、なおかつ読みやすく、しかもメッセージ性も強くのこる作品集だった。

そのメッセージの中身は単純に言えば「命」。その「命」の中身は悲しいものもあれば、大切さを学ぶような部分もある。怪談話ではあるが思っているほど怖いものではなく、むしろそういったことを知ることができる。

以上のことから怪談話が苦手な人でも読むことができ、なおかつ心打たれる一冊と言える。もっと言うと短編小説集でありながらある意味童話のように読み解くことができるので、小説そのものが苦手な人でも読むことができる一冊と言える。先にも述べたのだが、本書は表題作「晴れ女の顔」を含めて7作品収録されているのだが、どれも同じように読むことができるのだが、すべて同じ傾向になることがないので読んでいて飽きない。