TAG

現在

地先

人生はまるで航海のようだという人もいる。人生はまるで大地の果てを目指して歩き続ける旅のようだと言う人もいる。本書はその中でも後者を比喩しているような気がしてならない。 人生には様々な歩みがあり、なおかつ恋愛、仕事があり、そして希望や成功、挫折なども体験する。その体験を通して、人生という地続きの道、そしてその先にあるタイトルの如く「地先」が見えてくると言うことを著した短編集である。 本書のタイトル自 […]

歴史を学ぶ人々のために――現在をどう生きるか

歴史を学ぶことは必要なことである。それは自国にしても、世界にしても深い意味で「知る」大きな機会である。歴史を学ぶにつれて見るものも変わっていき、なおかつ歴史を学ぶ中で、さらに考察を行っていく中で意見の対立もできてきている。古代のみならず、近現代史においても歴史的な議論は数多くある。なぜ生きる中で「歴史」を学ぶ必要があるのか、数ある論者が示している。 Ⅰ.「“今ここにある危機”に切り込む」 日本の歴 […]

まっぷたつの先生

「まっぷたつ」と言っても物理的にそうなったら怪奇小説であるのだが、本書はそうでなく、人格、あるいは時間軸的に「まっぷたつ」を表している。「時間軸的」というのが本書において最も重要な要素であり「現在」の自分と「過去」の自分それぞれを表している。その表している中でどのような交錯があったのかを描いている。 その交錯は人間における変化を表している一方で、ある年代を2つ取り上げつつ、ぞれぞれの境遇と過去と現 […]

失われた過去と未来の犯罪

「過去」と「未来」、その時間軸は地続きかもしれないのだが、過去は失われ、線が外れてしまった中で未来の中で犯罪が生まれるようになる。その失われたのは主人公を始めた一部の人物だけなく、ある兵器によって人類全体が失った状況で起こった事件を取り上げている。 しかも過去の記憶をすべて失ったわけでなく、過去10分以降の記憶がドンドンと失ってしまうようなことになるが、その代用となるのがPCなどで使う「メモリ」と […]

iPS細胞はいつ患者に届くのか――再生医療のフロンティア

「iPS細胞」が発見したのは今からちょうど10年前、京都大学iPS細胞研究所所長・教授の山中伸弥氏だった。その後、iPS細胞に関する本も出始め、実用化の道をたどっていき、2012年にはノーベル生理学賞・医学賞を受賞するまでになった。実用化に向けて一歩一歩進んでいるのだが、本当に私たちがiPS細胞を使った医療の恩恵を受けるのはいつごろになるのか、本書では再生医療の現場とともに取り上げている。 1.「 […]

今、そして未来(これから)―様々なビジネス生活から人生を考える

現状から未来を考えることは往々にしてある。もちろん私自身も書評を行っているが、将来は書評家をずっと続けながらも、書評を通じて、人と本を介した仕事をやっていきたいと考えている(出版社の仕事や本屋の仕事とは別の考えで)。そのモデリングは現在も考えているところにあるのだが、その仕事のなかで「やりたいこと」と「やるべきこと」と言うのがあり、それらが見えてきて「天職」に結びつけることができている方も少なくな […]

「昔はよかった」と言うけれど~戦前のマナー・モラルから考える

「昔はよかった」といいう言葉は今の現状を憂う、あるいは現在に生きる世代を批判する際に比較対象として用いられる常套句として扱われるのだが、よく考えてみると「本当に昔は美しかったのか?」という疑問符が生まれてしまう。それに「昔」についてどれくらい前のことを表すのか、ということも考えると評価基準も大いに変わってくる。 本書は「昔」の基軸を戦前にしている。戦前は「修身」の授業もあれば、「教育勅語」という教 […]