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知識人

矢内原忠雄――戦争と知識人の使命

時計台のある東京大学の駒場Ⅰキャンパスには「矢内原公園」があり、かつては矢内原門があり、その門があったことの石碑が今もなお存在する。その「矢内原」こそ、本書で紹介する矢内原忠雄である。東京帝大(現:東大)の政治学科卒業後、就職を経て、東京帝大に戻り、学名が東大になってからもずっと教授として教鞭を執り続け、戦後には大学の学長にあたる「総長」にまで登り詰めた。 しかしながら研究や主張によっては物議を醸 […]

ブルデュー 闘う知識人

ピエール・ブルデューは近代から現代にかけ、フランスの社会学や哲学を醸成した学者の一人であり、日本にも3度来日している。そのブルデューは2002年に没しているのだが、あれから15年の節目を迎える。資本主義にまつわる批評と議論について社会学的な観点から中心的人物となったのだが、そもそもブルデューの生涯はどうだったのか、その人生を思想の変化について取り上げている。 第一章「人間ブルデュー」 フランスの小 […]

大学の下流化

「大学の質が低下している」ということを本書は指摘している。確か大学は、進学者数が、少子化とともに減少の一途をたどりながらも、大学の数は増え続けている一方である。「大学全入時代」を迎えている中で、大学生の質が落ちてきていて、大学1年生の授業で高校生の勉強の延長線上をやっているのだという。 しかし本書は「大学」そのものの体質や大学改革が間違ったベクトルに傾いていることから、質が低下しているのだと指摘し […]