文芸・評論

書評

夜市

「夜市(よいち)」は簡単に言うと夜に店を出す市場の事を言い、本書は主人公の家からかなり離れた公園で開かれていた不思議な夜市を舞台にしたホラー作品である。しかしホラー作品と言ってもヒューマンドラマも入っており、読み終わると非常に心温まる感じに...
エッセイ

八月の青い蝶

もう8月が終わって1月あまり経つ。そう書いてしまうと、夏の暑さが恋しいように見えてしまうのだが、元々自分自身夏の暑さは苦手なので、今のように涼しい方が良いと思う。 私事はさておき、8月というと暑さだけではなく、日本にとっても大東亜戦争、及び...
書評

ぼくたちが見た世界―自閉症者によって綴られた物語

自閉症と言う病名を聞くことがあるのだが、「自閉症」と言うのはいったい何なのだろうか。調べて見ると、 「早期幼児期に発生する精神発達障害。対人関係における孤立、言語発達の異常、特定の状態や物への固着などを示す。脳機能障害によると考えられる。早...
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時代

賢帝と逆臣と~小説・三藩の乱

17世紀の中国大陸は清王朝が始まったときでもあった。清王朝は江戸時代が起こって約20年後となる1622年に、現在のモンゴル地方にて誕生し、瞬く間に中国大陸全土を統一した。それか270年もの間、中国大陸の歴史を紡いできたのだが、後半になってく...
書評

恋する狐

本書は狐などの物の怪が出てくるため怪異モノかと思ったら「恋する」というタイトルを冠している通り、怪異モノでありながら、恋愛・ハートフルの要素も盛り込まれた短編集である。 物の怪というと怖い印象を持ってしまうのだが、本書に出てくる物の怪はいず...
時代

あっぱれ町奉行―江戸を駆ける

「町奉行」は江戸時代にある仕事の一つで、現在で言う所の「裁判官」や「検事」という職業を指す。しかも一般的に町奉行というと地方の御奉行様の事を連想してしまうのだが、実際は江戸町奉行が「町奉行」と呼ばれたのだという。身分も勘定奉行や寺社奉行と同...
エッセイ

似ない者夫婦

「似たもの夫婦」と言う言葉がよく出てくるのだが、辞書を引くと、 「仲のよい夫婦はその性質・趣味などが似るということ。また、性質・趣味などが似ている夫婦」(「広辞苑 第六版」より) とある。性質や趣味などが似ているというのはおおざっぱであるの...
書評

落日の譜―雁金準一物語

団鬼六氏は今から3年前に亡くなられたのだが、彼が生み出した作品の多くは「官能作品」、それもSMものが非常に多かった。一時期断筆するものの、そののち親交のあった最後の真剣師・小池重明の生涯をつづった「真剣師・小池重明」がベストセラーとなり脚光...
エッセイ

別れる力 大人の流儀3

「一期一会」という言葉が存在する。人には様々な出会いがあり、それと同じ数の「別れ」が存在する。しかし「別れ」の感情は人を失う感情をもよおしてしまうため、なかなか受け入れがたいことの一つである。しかし「別れ」が来ない限り新しい出会いは存在しな...
ミステリー

プチ・プロフェスール

「プロフェスール」はフランス語で「先生」「教授」の事を指す。そう考えると、本書のタイトルは直訳すると「小さな教授」と言うのだが、何の先生だろうか、と読み進めていくと科学を研究していることから、俗に「リケジョ」と呼ばれている。「リケジョ」や「...
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