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民俗・風評

春を待つ海ー福島の震災前後の漁業民俗

東日本大震災から11年半経過した。復興の道はまだ「道半ば」というだけあり、次々と復興は果たしつつあるものの、まだまだ完全に復興するまでは遠い。もっとも10年以上経っており、「元に戻る」と言うことは時代の変化もあってか難しいという他ない。 本書は震災の被害が著しい福島県の漁業民俗を取り上げている。民俗学はフィールドワークが主であるのだが、著者自身が調査地である福島県新地町に住み、漁業を行いながら震災 […]

仲人の近代 見合い結婚の歴史社会学

「コロナ禍」は様々な所で起こっている。飲食業界や旅行業界などがメディアにて注目されるのだが、冠婚葬祭の業界もまたコロナ禍のあおりを受けてキャンセルが続出し、キャンセル料を巡る裁判まで起こっているという。 もちろんコロナ禍により結婚が少なくなったというのは短絡過ぎである。結婚はするのだが、結婚式は挙げず、結婚報告だけにとどめる所も出てきている。その一方でコロナ対策を十分に行って結婚式を挙げる所もあり […]

最強の食材 コオロギフードが地球を救う

日用品や食品をスーパーに限らず、色々な所で購入するのだが、ここ最近「コオロギチップス」や「コオロギせんべい」なるものが売られているのを目にする。実際に購入したことはないのだが、機会があれば購入しようかと考えている。 未来の健康スナック コオロギチップス ほんのり塩味 30g posted with カエレバ 楽天市場 Amazon Yahooショッピング 7net 関係ないように見えるが本書はその […]

日本のジーパン

もはや私たちの生活において欠かせない衣服となっているジーパン。かくいう私も普段はジーパンを穿き、外に出かけることが多い。それだけ私たちの生活に浸透してきているものはない。 しかしながらかつて「ジーパン」は作業着というイメージがあり、忌み嫌われていた。ご年配の方々の中にはジーパンとなると普段穿いている方々に対して不快な思いをされる方もいる。 とはいえスタンダードなズボンの一つとなっているジーパンだが […]

横丁の戦後史-東京五輪で消えゆく路地裏の記憶

新型コロナウイルス感染拡大の影響により居酒屋をはじめとした飲食店では倒産が相次いでいるのだが、何も飲食業界ばかりではなく、コロナによって対面販売が難しくなり、それらを中心としている業界は軒並み壊滅的な打撃を受けている。 ちょうどこの時期になると例年であれば「忘年会」シーズンであるのだが、昨年は完全に自粛となり、今年は第5波が去り、感染に落ち着きが見られているが、第6波の懸念と、元々あった忘年会への […]

昭和のアニメ奮闘記

本書の著者である南正時は鉄道写真家や紀行作家であると同時にアニメーション作家でもある。著者自身は第1章でも紹介するが1967年(昭和43年)にAプロダクション(現:シンエイ動画)に入社し、多くのアニメーションを製作することにより、アニメ黎明期を支えた人物の一人である。 黎明期と呼ばれる中で著者はどのようなアニメ製作に携わり、なおかつアニメーターたちとの関わりを持ったのか、その歴史を綴ったのが本書で […]

キャラがリアルになるとき ―2次元、2・5次元、そのさきのキャラクター論―

マンガやアニメなどでは数多くの「キャラクター」が存在する。そのキャラクターには多くの設定があり、とりわけ誕生日などではネットでも話題に上がるほどである。そのキャラクターの中身、いわゆる声優たちもフォーカスされていくこともしばしばある。 本書はその「キャラクター」がどのように形成付けていき、なおかつ物語、そしてリアルにもどのような影響を与えるのか、そのことについて取り上げている。 Ⅰ.「マンガのなか […]

幻の「カフェー」時代 夜の京都のモダニズム

私自身はよくカフェへ行く。勉強をすることが中心なのだが、世間話が聞こえる喧噪の中だと集中できる性質であるため、図書館で勉強するよりも捗ってしまう。もっとも高校の時からずっとそのような時分であったため、むやみに変えることは出来ない。もっとも一時期は仕事でも使ったことがある。 しかし本書は「カフェ」ではなく「カフェー」である。 カフェーは元々今ある「カフェ」と同じくコーヒーなどを出して歓談するようにな […]

発酵野郎!―世界一のビールを野生酵母でつくる

本書のタイトルを中身を見ずにふと見ると、どうしても発酵学者で有名な小泉武夫氏を連想してしまう。小泉氏は酒や納豆をはじめ、発酵食品を数多く取り上げた発酵学者であり、まさにリアル発酵野郎と言える人物だからである。 しかし本書はクラフトビールの話である。日本には地域ならではのクラフトビールが存在するのだが、本書はそれとは異なり、酵母をこよなく愛し、クラフトビールの世界を切り拓いた人物の歩みを示している。 […]

盆踊りの戦後史 ――「ふるさと」の喪失と創造

盆踊りというと夏の風物詩であるため、季節はまだ先であるのだが、もっと言うと新型コロナウイルスの感染拡大によって盆踊りのイベント自体の開催が難しくなった。そもそも盆踊りとはいつどのように生まれ、栄えていったのかという疑問がある。本書は盆踊りそのもの歴史について取り上げている。 第一章「日本の近代化を盆踊り―明治~昭和初期」 盆踊りそのものの歴史は諸説あるのだが、一遍上人が各地に踊り念仏を布教したこと […]