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尊厳死

人はどう死ぬのか

よく教育の中で「デス・エデュケーション」というのを聞く。これは「死の準備教育」を表し、アメリカでは1960年代から取り入れられた教育手法である。日本でも1980年代に提唱され始めたのだが、「死」による教育を暗にタブー視したこともあってか、デス・エデュケーションはなかなか浸透しなかった。 もっとも本書もまたデス・エデュケーションの一つとしてどう「死ぬ」のかを取り上げている。 第一章「死の実際を見る、 […]

心臓に針を

人間としての「生」と「死」。それは人それぞれの思想の根底にある。最近では道徳や人間的な授業として「デス・エデュケーション」「死の準備授業」と呼ばれる「死」に関して考える内容が一部の学校でも取り上げられ、なおかつ書籍や動画でも取り上げられている。 本書はそれとは毛並みが異なる。それはとある病院の経営者であり、美容外科医の人物が、自ら封印していた過去を呼び起こす出来事があった。その過去には悲劇的なもの […]

刑事が法に背く時

よくある「こいつおまわりさんです」を連想するようなタイトルである。警察、もとい刑事は犯罪者に対しては厳しく取り締まり、善良な国民に対してはやさしいイメージがもたれる。しかしあくまで私のイメージにあたるため、他の人にとっては、ドラマ・アニメ化されたマンガ「ハコヅメ」の1シーンのごとく警察に対しての罵詈雑言のような事も少なくない。 それはさておき、刑事であっても一人の「人間」である。法律と道徳の狭間に […]

なごり雪

本書のタイトルを見ると、あの名曲を連想される方も多くいるかと思う。 しかし本書はその曲のオマージュというわけではなく、とあるモデルとファッションライターの恋愛と選択を描いている。 トップモデルの彼とファッションライターの彼女、彼女の所から愛を育んできたのだが、大きな事故に遭遇してしまい、彼は半身不随となり、モデルとしての人生を絶たれることになった。自暴自棄になり、自らも死を望むようになった彼、そし […]

白医

本書はミステリーでありつつ、終末医療のことも描いている。というのは不審死の事件として取り上げてはいるものの、末期を迎えた患者は本当に死を選んでいるのか、また生を選んでいるのかはわからない。しかしながら、ただ生きるだけでの地獄よりも、自分の意志のあるときに「死」を選び、延命治療を拒否して死ぬといったことがある。 かつて当ブログでも「尊厳死」「延命治療」に関しての本を取り上げてきたのだが、その中で考え […]

死ねない時代の哲学

人は遅かれ早かれ「死ぬ」運命にある。その死ぬ運命から逃れることはできないのだが、自ら死を選ぶこと自体がタブー視されている。もっとも自分の人生は自分で決め、なおかつ自身の死も選ぶという人は今昔では考えられている。しかしながら特に自ら死に場所を選ぶこと自体が「家族が反対しているから」「周囲が許さないから」という理由で死ぬことが許されない。もっとも延命治療を拒むことや尊厳死に関しての議論も行われているが […]

眠りの神

本書のタイトルは「眠り」と言っても「永眠」の方で、いわゆる「死」を幇助するといった事件を描いたミステリー作品である。当ブログでも何度か「尊厳死」や「安楽死」といったものを取り上げてきたのだが、本書はそれを小説の舞台にしている。 あくまで創作なのだが、「尊厳死」とは何か、「死ぬ権利」とは何か、そのことを考えさせられ、なおかつ海外では安楽死や尊厳死が認められている事例を引き合いに出しながら描かれている […]

安楽死・尊厳死の現在-最終段階の医療と自己決定

本書は「安楽死」と「尊厳死」について取り上げているが、実は2つとも同じように見えて、意味合いが全く異なる。「安楽死」は、 助かる見込みのない病人を、本人の希望に従って、苦痛の少ない方法で人為的に死なせること。「広辞苑 第七版」より とあり、一方の「尊厳死」は、 一個の人格としての尊厳を保って死を迎える、あるいは迎えさせること。近代医学の延命技術などが、死に臨む人の人間性を無視しがちであることへの反 […]

医療再生は可能か

医師不足、「モンスター・ペイシェント」、救急車の私物化、リピーター医師、尊厳死問題…。医療に関する問題を挙げていくと枚挙に暇がない。 本書はそんな医療の現状の整理と経営者の側からの解決策について書かれている。とりわけ「医療費」について多く言及している。 本書のあとがきで気になるキーワードがあったので紹介する。 「国が自分に対して何をしてくれるのか、ではなく、自分が国に対して何ができるのか」 後期高 […]

いま医療現場で起きていること

ここ最近では医療に関するニュースが流れている。医療事故やタライ回し、尊厳死、医師不足など医療の問題は山積している。知っているかどうかは分からないがそれで犯人扱いされるのが厚生労働省もあるが、現役医師たちにも火の粉が降りかかってきている厳しい現実がある。現場の医師たちはどのような現状であるのか現役医師の立場から悲鳴を上げ、悩み、そして怒りをぶちまけている。 第1章では今現場で起こっていることを挙げて […]