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交流

降伏の時 元釜石捕虜収容所長から孫への遺言

大東亜戦争が終戦し、今年の8月15日で77年を迎える。戦争を体験している方々が亡くなっていき、戦争を知るきっかけも資料などでしかわからなくなりつつもある。もちろん戦前・戦後に関しての史料は次々と出てきており、あの戦争は何だったのかは今も問われ続けている。 本書はかつて岩手県釜石市にあった「連合軍捕虜収容所」の所長として生き、終戦を迎え、戦犯として巣鴨プリズンにも収監し、釈放後は新聞記者として活躍し […]

伝える人、永六輔 『大往生』の日々

永六輔はマルチな才能を発揮した人物である。特に作詞家として、ラジオパーソナリティとしての知名度もあれば、1994年に「大往生」を上梓し、200万部を超える大ベストセラーにまで登り詰め、エッセイストとしても名を馳せた。マルチな才能を持つ一方で、「徹子の部屋」にも幾度となく出演し、好奇心旺盛な側面も覗かせた。その永六輔の生涯については1994年の大往生が上梓された以降の足跡を追っている。 Ⅰ.「ベスト […]

小川宏の心に残るいい話

「小川宏ショー」などで知られる名司会者であり、アナウンサーの小川宏氏が昨月29日にこの世を去った。90歳の大往生だった。その小川宏氏の足跡は長らくテレビの世界ではその名を知る人はいないほどだったという。その長いアナウンサー・司会者の生活の中でどのような交友関係を築き、なおかつエピソードを築き上げて行ったのかを綴ったのが本書である。 第1章「こだわり好きな人々」 こだわりは誰しも持っているかもしれな […]

小津安二郎文壇交遊録

日本を誇る映画監督は数多くいるのだが、その筆頭には「世界のクロサワ」と言われた黒澤明氏がいる。その黒沢氏とほど近い、あるいは対をなす存在として戦後映画を支えてきた名監督・小津安二郎氏がいる。小津氏の映画には「東京物語」「秋刀魚の味」などがある。それと同時に、北鎌倉に住んでいたこともあり、当時の鎌倉文士たちとの交流もあった。本書は戦後における日本映画を支えてきた小津氏の映画の参考となった読書、そして […]

似ない者夫婦

「似たもの夫婦」と言う言葉がよく出てくるのだが、辞書を引くと、 「仲のよい夫婦はその性質・趣味などが似るということ。また、性質・趣味などが似ている夫婦」(「広辞苑 第六版」より) とある。性質や趣味などが似ているというのはおおざっぱであるのだが、細かい所で似ていると言うところを考えると「似たもの夫婦」というのはよくある夫婦と言っても過言ではない。 しかし本書に出てくる夫婦は細かい部分ですら似ていな […]

まずは、「つき合う人」を変えなさい!

人との「縁」はその人となりを表しているという。あなたの周りの人にはいったいどのような人がいるのだろうか。人との出会いによってはその人の考え方や生き方も変わることもできれば、働き方にも影響を与える。「つき合う人」によって、自らそのものを変えることができる、というが本書ではどのように変わるか、どのつきあい方で変えるのか、について自らの体験をもとに示している。 PART-01「仕事もお金もない私が、ドツ […]

シルクロードと世界の楽器―音楽文化の東西交流史

「楽器」というと世界中探してみたら何種類あるのか。全部で数え切れないほどあるというのだから驚きである。それだけに国々の音楽の形態や種類も違っており、音楽によっては差別の的となったりすることもある。「和」をとりなすことこそが音楽の根源であるというのに何とも皮肉なことだろうか。 さらに本書の冒頭では日本音楽は激しい差別を受けてきたのだという。とりわけ学校教育では琴や筝といった日本楽器を扱うことは、まっ […]

私が愛した官僚たち

官僚というのは事あるごとに槍玉に挙げられる人たちである。ただやっていることのほとんどは槍玉にあげられても仕方のないことだからしょうがないこともしょうがない。しかし官僚の中には非常に侠気もあり、日本のために身を削りながら働く官僚もいることは確かである。とりわけそういう人は若い世代に多いが、階級競争が激しいせいかそういった人たちが真っ先に第一線から身を引き、民間会社に移るなどのいわゆる「天下り」や大学 […]

「成り上がり」の人間学

「反転」でおなじみ、「闇世界の守護人」こと田中森一氏の渾身の作品。本書が入稿された後の3月31日に収監なされたため本書が収監前最後の作品と言えるのではないだろうか。 本書を読んだ率直な感想としては、著者の印象として非常に厳格であるが、反面非常に人情深いところ、懐が深かったことにより闇世界に生きる多くの人との交流ができたのではないかと私は思う。本書を読んでわかるのが許永中や五代目山口組若頭であった宅 […]