TAG

文春文庫

満月珈琲店の星詠み

「星詠み」はいわゆる「星占い」の一種であるが、その星詠みに疲れた方々に対し星や月にまつわる飲み物・料理を振る舞う喫茶店がある。しかもその喫茶店は「満月」の夜にしか開店しない店である。 来店する方々も星詠みに疲れた方々であるが、起業家やライターなど様々な仕事の人が立ち寄る。しかもその喫茶店のマスターは猫というもの。 来店するそれぞれの人に合わせた「星詠み」と併せてのメニューが振る舞われるのだが、それ […]

羊と鋼の森

本書の主人公はピアノの調律師である。高校の時にピアノの調律師と出会い、調律の世界に魅せられ、自らも調律師としての道を歩み始めた。もちろん調律は音に関して打鍵1つ狂いが生じてはいけない世界である。もちろん様々なピアノや人との出会いを通して人間的にも調律され、成長して行く。 私自身、「管理人紹介」でも書いたように中学・高校と吹奏楽、大学はオーケストラと約10年間音楽の世界に関わってきた。その中でピアノ […]

往古来今

過去・現在・未来と時間は流れるのだが、それがあたかも時空となって移動するようになったような物語である。その過去にしても平安時代にまで遡るほどであるため、時代の流れ、時の流れがあるのだが、その時の流れを中であたかもタイムマシンに乗ったように往来して生きながら「私」を探しているという、あたかも時空を超えた「自分探しの旅」とも言える。 中編小説を5編取り上げているのだが、その昔から今までの歴史の中で「私 […]

ハコネコ

もう何度も書いているように私自身は大の猫好きである。ただ猫自体は飼ったことがなく、なおかつ猫カフェにすら行ったことがないのだが、道を歩いているときに猫にであったら振り向いてくれるように鳴き真似などをする。そのことで振り向いてくれるとなんとも言えないような「癒やし」を得ることができるようになる。他にも本書のような猫にまつわる写真集やエッセイを読むのもまた癒やしとなる。 ちなみの本書はどのような一冊な […]

サクラ秘密基地

「秘密基地」と言う言葉を聞くと子供の頃にそういった「ごっこ遊び」を行った方も結構多いのかも知れない。ちなみに私はやったことはないのだが、それに近いことは行ったのかも知れない(どんな遊びだったかさえ覚えていないが)。 そういった秘密基地であるのだが、ここ最近では奇妙なカルト教団の秘密基地を舞台にした話もある。その他にもUFOをはじめとしたSFの要素がある作品まで収録されている。しかしいずれにしてもど […]

箱根駅伝 ナイン・ストーリーズ

毎年1月2~3日に箱根駅伝が行われる。その1年1年に様々なドラマが映し出される。私自身もあまりTVは見ないのだが、このときばかりはTVを見るようになる。様々な物語を紡いできた箱根駅伝はここ最近どのような物語があったのか、スポーツライターとして選んだ物語を9つ取り上げている。 <今井、柏原、神野が、山の神になったとき> 今となっては山の神はもはや神話の類いなのかともいってしまうのかもしれないのだが、 […]

昭和十七年の夏 幻の甲子園―戦時下の球児たち

今年で高校野球が始まって100年経つ。現在も夏の甲子園が開催されており、毎日白熱した試合となっている。この100年目の節目に高校野球でも監督の勇退など様々な出来事が起こっており、私自身も目が離せない。 その100年の歴史の中で大東亜戦争をはじめとした戦争など様々な出来事にさらされながら、高校(大東亜戦争前までは中等)球児たちの夢舞台だった。しかし途中日中戦争・大東亜戦争・大正米騒動が起因となり、中 […]

エレガントな象―続々葭の髄から

「昔の「古き良き日本語」を見ている様な気がした」 本書を読んだ直接的な感想である。著者は大正9年に生まれ、大東亜戦争を経験。その後志賀直哉に師事して作家としてデビューした。主に大東亜戦争などの戦記物が多いことで知られている。 本書は阿川氏のユーモアあふれるエッセイである。ちなみにこのタイトルは同じ作家の檀ふみ氏の事を言っている。「エレガント」と「エレファント」を捩っている所がなかなか面白い。 最近 […]