ウサギはなぜ嘘を許せないのか?

昨今企業では「コンプライアンス」というのがよく使われる。この「コンプライアンス」とは「法令遵守」と呼び企業は法令を順守を念頭に置いて健全な経営を求めるというのが「コンプライアンス」の狙いである。しかし昨年は食品偽装事件、もっと前になると「ライブドア」や「村上ファンド」のことを考えるとこの「コンプライアンス」意識というのが日本は欠如しているのかとも考えてしまう。もっとも諸外国のことも考えてみると「コンプライアンス」といのは単なる置き飾りに過ぎないと言わんばかりになってしまっているだろう。

本書はこの「コンプライアンス」を素朴な感じで学べると同時に、「正しく成功すること」がどれだけ難しく、遅くなるのかというのを解明している。簡単にいえば正直者のエドがいかにして正直に、かつ成功に導かせるのか、そして短絡的に成功へ突き進もうとする人の悪い例を映し出す物語を、解説を交えながら進めていく。ここではいくつかの言葉をピックアップする。

「世間の人たちの多くは“正しくあること”に価値を置いているわけではない」(p.13より)

誰もが正しい道を歩んでいる、正しいことを念頭に置いているというとそうではない。またその「正しいこと」は普遍的なものであるのか、あるいは自分自身で決めたものなのか分からない。自分自身で決めたものの中には法律に反しているものもあるだろう。

「人生の長いレースでは、モラルを破り続けるほうがよけいに骨が折れる」(part2 表紙より)

モラルを破ったほうが早く、そして場合によっては大きく成功できると思うだろう。ただこの言葉の最後に「よけいに骨が折れる」と言われるのはその後、つまり成功した後のことである。その理由は本書の最後のほうを読めばこのことが自ずとわかる。

「心にみじんも重荷を感じることなくレースを終えることこそが本当のゴールである」(p.135より抜粋)

正しいことを行えば当然心に重荷を感じることはない。しかし成功をするまでの過程は長い。それに耐え得る力をつけなければならないということがよくわかる。

正しいことを行うこと、そのことを行うことによって成功まで時間がかかること、成功は時間をかけずにとれる方法はあるが、その後ツケが必ず返ってくる。そういうことを知った1冊であった。

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