午堂登紀雄様より献本御礼。
ギリシャを発端とした「ヨーロッパ危機」が止まるところを知らない。かく言う日本も「失われた10年」と呼ばれた時から赤字が急速に膨らみ、今や「デフォルト宣言」も現実味を増してきた。そのような状況のなかで昨年3月には「東日本大震災」もあったことが追い打ちとなり、経済の閉塞化も止まらない。先日「資産フライト」にも書いたのだが、日本の円を海外の口座に預ける人も富裕層ばかりではなく、年収500万円のサラリーマンにもいるのだという。
本書はその時代が止まらないことを想定して自らの資産をいかにして守るために「日本脱出」のすすめを紹介している。
第1章「受難の時代に備える―あなたのお金がどんどん吸い取られている!」
政府の消費税議論が止まらない。それだけではなく、所得税の控除額の廃止や相続税の増税、国民年金の給付金減少、給与や雇用減少、さらには放射能や災害など、日本人は様々な「リスク」と隣り合わせで生きている。「リスクに背を向ける日本人」という本があるように、日本人はリスクを忌避する傾向にあるのだが、忌避をすればするほど逃げられない状況に陥ってしまう。
しかも「投資」を行うにしても、日本人にはそういった「金融リテラシー」や「投資リテラシー」といった「お金」を学ぶ機会を得る場は限られており、かつ「お金をもうけることは悪」という固定観念、あるいは本書で言う「お子さま投資家」「お子さま債権者」が蔓延っている現実もある。
第2章「日本経済、終わりの始まりに備える」
「何が起こるかわからない」
そういった状況の中で、財政破綻も、世界的な大恐慌も有り得る。そのような状況は予測できる・できないもあるのだが、それ以前に予想外のことも起こりうる。
第3章「日本脱出計画―「攻撃」の戦略」
そのような状況の中で本章と次章の2章に分けて日本脱出計画を紹介する。
本章では「攻撃」的な観点ということで、「脱藩」や「永住」「オフショア」など本書の通りあるように物理的に日本から脱出する必要性や方法について取り上げている。
第4章「日本脱出計画―「防御」の戦略」
今度は「防御」の観点から、日本に出ず、フリーランスになる、複数の収入源を持つ、引っ越す、副業するなどのススメを紹介している。
著者の本はこれまで当ブログでもいくつか取り上げているが、本書ほど「異色」に感じたことはない。しかしそれを書かなければならないほど日本と日本人は危機にさらされているといえる。本書は「対策」だけではなく、同時に「警告」と呼べる様な一冊と言える。
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