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2016年11月

歌姫メイの秘密

母親とともにとある新興宗教から逃げ、複雑な境遇の中で育ってきた少女は歌の才能があった。その才能はやがて「歌姫」と呼ぶにふさわしいようになっていったのだが、その少女は生き別れの実父を探しに行くというのが本書の根幹にあたる。 その少女の名前が「メイ」と呼ばれているために、本書のタイトルは「歌姫メイ」と銘打っている。メイの父親を探す、もとい父親の住んでいる家探すために旅をするメイはその道中である男と出会 […]

百歳時代―“未病”のすすめ―

もしも自分が百歳になったらと考えたことがあるのかというと、実は一度も考えたことがない。もっとも百歳になる前に亡くなる可能性が高く、なおかつ自分自身短命に終わってしまうのではないかと考えているためである。そのことを考えると本書は自分に適さないのかもしれないが、「もしも自分が百歳になったら」ということは考えて置く必要がある。人生は「わからない」からだ。ちなみに本書は私の住んでいる神奈川県の知事が著して […]

誰かが足りない

本書の表紙を見るとテーブルと椅子が4つある。これは何を意味しているのかとふと疑問に思ったのだが、本書の目次を開くとおのずと「レストラン」であることがわかる。そう、本書は予約を取ることですら難しい小さなレストランを舞台にした「6つ」の物語である。「6つ」は簡単に言うと6組のお客様が、それぞれのドラマを持ってきて、紡いでいる。 6つの物語でもそれぞれお客様が異なる。老夫婦もいれば、青年だけもおり、若い […]

平和主義とは何か – 政治哲学で考える戦争と平和

平和を嫌う人はめったにいない。誰しも平和を尊いものと思っているのだが、「平和主義」となるとその本質は大きく変わってくる。そもそも平和主義となると戦力保持すら認めない論者もいれば、平和主義の思想だけで戦争は止められるというような論者までいるのだから人によっては「眉唾物」と思われても仕方がない。しかし「平和主義」とは一体どのようにして生まれ、変容していったのかを考えていくと 第一章「愛する人が襲われた […]

残り全部バケーション

何ともハッピーなタイトルの一冊であるのだが、本書の主人公は「裏家業」をやる2人組である。「裏家業」というと全くと言ってもいいほど穏やかなものではないのだが、その2人組は何ともデコボコぶりがあり小気味良い展開であるのが良かった。 全体で五章に分かれているのだが、一貫して裏家業の2人組が中心であるのだが、周囲の人物がそれぞれで異なる。そのことなる中で変わる人間模様はもちろんのこと、その変わってきた中で […]

腰・肩・ひざは「ふたりで」治す – 魔法のリセット・整体

「「ひねって」治す」の続編にあたる一冊であるが、前書はあくまで「トレーニング」が中心だったのだが、本書はトレーニングよりも「整体」といったことが中心となる。そのため「ふたりで」と銘打っている。本書は理設置をするための整体などの方法を伝授している。 Part1「「背」「肩」リセット・整体 背中がゆるめば心ほがらか」 背中や肩は特に緊張しやすい箇所である。その緊張しやすい筋肉をほぐすには整体が何よりも […]

腰・肩・ひざは「ねじって」治す – 魔法のリセット・トレーニング

腰や肩、ひざはけっこうガタが来るようなことがある。もっとも肩は昔から凝ることが多く、そのことで疲れやすくなったり、あるいは動かなくなったりすることもあり、治そうにも治らない。そのことで本書を手に取ってみた。「ねじって」治すとあるのだが、具体的にどのように直したらよいのか、そのことを取り上げているのが本書である。 Part1「「呼吸」編 全てはアクビからはじまる」 「アクビ」というと脳内にある酸素が […]

将棋界の不思議な仕組み プロ棋士という仕事

今、将棋界は良くも悪くも話題となっている。春には20代の新名人が誕生したり、さらにはスマホ疑惑まで生じたりするなど、様々なものがある。その様々なことが起こる将棋の世界、もとい将棋棋士の仕事とは一体どのようなものか、本書は現役のプロ棋士であり、日本将棋連盟の専務理事を務めている方が紹介している。 第1章「棋士の仕事がわかる」 棋士の仕事はもちろん対局であるのだが、他にも様々なイベントで指導対局を行っ […]

abさんご

本書は第148回芥川賞を受賞した作品である。もっと言うと史上最高齢で芥川賞を受賞した作者であり、作品である。しかし本書は中編でありながら、小説のあり方を大きく覆すような一冊である。 何が覆しているのかというと、本書には人を指すような「固有名詞」が一切ない。しかももっと言うと途中までは横書きで左読みなのだが、最後の一篇だけは縦書きで右読みとなっている。そう考えると今まで小説を読んだ方々にとっては「何 […]

「結果」は自然に現れる!

結果が出ないという方も少なくない。最も自分自身も結果が出ずに苦しむようなことが何度もあった。その様な中で、結果をいかに現れるにはどうしたら良いか、どのような心構えを持ったらよいのか、そのことを取り上げているのが本書である。 第1章「“この現実”が教えてくれること」 現実は厳しいものである。しかしその厳しさは見方を変えてみると、一種の「メッセージ」として表すことができるようになる。そしてそのメッセー […]