Pitch ピッチ 世界を変える提案のメソッド

ピッチというと、陸上、特に走る種目の中ではよく言われているかも知れない。またサッカーや野球でも形は違えど同じように使われる。また音楽の世界でも「音程」の側面で言われることが多くある。

しかし本書はそれとは全く異なる「ビジネス」の世界で言う所の「Pitch(ピッチ)」である。それはいったいどのような意味なのか、またどのように使われ、なおかつ役立つのだろうか、本書はそのことについて取り上げている。

第1章「ピッチとは何か?」

「Pitch(ピッチ)」とは、

一言で言えば、相手の決断を引き出す提案方法です。p.16より

とある。ビジネスの世界には必ず人と人との関わりがある。それは上司・部下、取引先、同僚など様々である。自分自身を変えることは出来るのだが、他人を変えることは非常に難しい。その難しい部分に対して、相手に変えること・決断させることを促す、背中を押すための方法がそれである。

第2章「スタートアップがピッチで「人を動かした」事例」

相手を決断・行動をさせるにはどうしたら良いか。そこには「伝え方」がある。伝え方一つで相手が決断できる、行動できる起爆剤になるとするならば、どう動かしていけば良いか、本章では事例と共に伝授している。

第3章「ピッチで人を動かすために/アイデアの具体化」

第1章の冒頭にもあるように「提案」を「伝える」といったことが「ピッチ」の本懐である。そのための準備や考え方を生み出し、具体的なものに昇華して行くことが必要になってくる。その準備や調整、検証のあり方を取り上げている。

第4章「ピッチの組み立て方」

相手の決断するための「ピッチ」を築くためには準備や調整、検証を行いながら、なおかつ「組み立て」といった仕上げの部分もある。どのようにして仕上げるのか、またピッチを行っていくために伝えるべきことやデータ、課題などの洗い出しなどのプロセスが列挙されている。

第5章「オンラボ卒業生インタビュー」

本書を著しているのが「オープンネットワークラボ」、通称「オンラボ」と呼ばれるスタートアップ養成・支援のプロジェクトチームである。実際にこの「ピッチ」のメソッドもこのオンラボにおける起業支援や養成を行っていく上で、醸成されたものである。

そのため本章ではピッチをもとに決断・行動へと移し、起業にこぎつけた、中には上場を果たした方々のインタビューを収録している。

第6章「未来を切り拓くピッチ」

オンラボがなぜピッチのメソッドを築いていったのか。また、起業支援・養成を通してこれからの未来をどう切り拓いていくのか、その未来を描いている。

本書は起業を行うための決断や提案の方法の所を表している。それに限らず、クライアントが決断や行動へと導くためのプレゼンといった要素も入っている。そのため、起業に限らず、会社勤めでも、相手に動いてもらう、決断を行ってもらうために背中を押す面で、本書は役立つ一冊と言える。

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