短編集

書評

エゴイスト

「愛とは何か?」 本書を読んでそのことを私の胸に突きつけられた。親子愛、歪んだ愛、それぞれ形の違った「愛」が交錯していた。14歳という心的に「思春期」と呼ばれている時期に母が亡くなった男と、病に冒された母を抱える男の関わりの物語である。友情...
書評

花鯛

本書は短編集であるが、章立てがすべて海の生き物である。鯛は鯛でも「花鯛」はどのような鯛なのか。 花鯛の本当の名前は「チダイ」と呼ばれており、それを関東地方では「花鯛」と呼ばれている。血の色の様な鰓(えら)をもっていることから「チダイ」と名付...
書評

サポートさん

本書は「マゼンダ100」や「ヘヴンリー」といった作品で有名な日向蓮氏の短編集である。その中でもサポートや後輩など華麗に輝く主人公の裏方、つまり影にあたる人物についてスポットを当てた作品である。 確か「裏方には裏方の美学がある」という言葉を聞...
書評

追憶のハルマゲドン

本書によるとカート・ヴォネガットの没後一周年を記念して出版された短編集であり、未発表のものを中心に編纂された一冊である。 ヴォネガットの作品は60年代ごろから次々と翻訳されてきたが、80年代にはブームにまで発展し、爆笑問題の太田光もファンの...
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