サポートさん

本書は「マゼンダ100」や「ヘヴンリー」といった作品で有名な日向蓮氏の短編集である。その中でもサポートや後輩など華麗に輝く主人公の裏方、つまり影にあたる人物についてスポットを当てた作品である。

確か「裏方には裏方の美学がある」という言葉を聞いたことがあるのだが、まさにその美学について伝えようとしているように思えた。

かくいう私も吹奏楽ではチューバ、オーケストラではコントラバスと「音楽の面」で裏方を務めた(?)人である。それも相まってか、サポートや後輩といった所に妙な関心を持ってしまう。本書もその一つと言える。

「サポート」という言葉にとらわれず、「一途な女」「ワタルくん」「紳士協定」などアットホームでありながら、独特な表現を醸してくれる。