青春

書評

誰かが足りない

本書の表紙を見るとテーブルと椅子が4つある。これは何を意味しているのかとふと疑問に思ったのだが、本書の目次を開くとおのずと「レストラン」であることがわかる。そう、本書は予約を取ることですら難しい小さなレストランを舞台にした「6つ」の物語であ...
書評

残り全部バケーション

何ともハッピーなタイトルの一冊であるのだが、本書の主人公は「裏家業」をやる2人組である。「裏家業」というと全くと言ってもいいほど穏やかなものではないのだが、その2人組は何ともデコボコぶりがあり小気味良い展開であるのが良かった。 全体で五章に...
書評

abさんご

本書は第148回芥川賞を受賞した作品である。もっと言うと史上最高齢で芥川賞を受賞した作者であり、作品である。しかし本書は中編でありながら、小説のあり方を大きく覆すような一冊である。 何が覆しているのかというと、本書には人を指すような「固有名...
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書評

ラジオラジオラジオ!

私自身テレビをあまり見ない一方でラジオを聞くことが度々ある。AMやFMもさることながら、最近ではインターネットでも生・録音問わずに配信される、いわゆる「ネットラジオ」も出てきている。番組、そしてその番組によって流れる音楽もヴァリエーションが...
書評

なぜ「そうじ」をすると人生が変わるのか?

「そうじ」というと嫌がる人も少なくない。その一方で「そうじ」を積極的に行おうとする人もいる。私はというと、どちらかといえば後者である。もっとも部活動で毎日のように掃除を課せられていたのだが、「やらされている」という義務感よりも、自分自身から...
書評

盤上に散る

将棋、囲碁、チェス、バックギャモン…と「盤」と呼ばれるような所で戦っている人々は数多くいる。その盤上に己の技術・思考・プライドすべてを賭けて戦い、勝つものもいれば、負けるものもいる。その中で負けてしまうと本書の表紙にあるようにうなだれる、中...
書評

新しい鳥たち

本書を取り上げる以前に、本書の著者を取り上げる必要がある。ご存知の方もいると思うが、著者は今から15年前に「世界の中心で、愛をさけぶ」で一大センセーショナルを生み出し、映画・ドラマにもなった。それから15年して著者がベストセラーをたたき出し...
書評

エデュケーション

日本の教育現場にまつわる本は今まで色々と読んできたのだが、本書は小説であるにせよ、教育現場のことを生々しく描かれている。 「日本の教育現場を変えたい」という夢と情熱に駆られた若者が、次々と立ち向かう残酷なる「現実」。その「現実」に立ち向かい...
書評

働かないの―れんげ荘物語

タイトルを見るからにニートの小説なのかというと、実際にメディアで取り上げられるようなニートではなく、40代後半の女性であるという。そう考えると専業主婦かとイメージしてしまうがそうではなく、本当の意味で「働かない」ためニートである。そのような...
書評

いとの森の家

福岡の団地で暮らしていた娘が父親のある「思い付き」で山々に囲まれた小さな村に住むようになったという。その住むところが「森の家」と呼ばれるところにあるのだが、その森の家の中では「おハルさん」と呼ばれる婆さんがいる。そのおハルさんは娘にとって特...
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