文芸・評論

書評

私の名前はルーシー・バートン

本書の主人公であるルーシー・バートンは入院生活を送っていたのだが、回復が思っている以上に遅かった。しかしながらその入院の中で疎遠となった親との出会い、さらに最愛の家族(娘や夫ら)との邂逅もあった。 しかしこの「出会い」や「邂逅」は入院生活を...
ミステリー

落語魅捨理全集 坊主の愉しみ

落語の世界は様々なストーリーを紡いでいる。もっとも滑稽な話が多いのだが、三遊亭圓朝や初代談洲楼燕枝が作った落語の中にはミステリー要素のあるものもある。中でも有名なものとして三遊亭圓朝が創作した大作「真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)」といっ...
ミステリー

亀と観覧車

奇怪なタイトルのように見えるのだが、観覧車は「夢」、亀は「現実」に見立てることができる。生活保護を受けている家族が高校生でありながら、働きながら高校に通っているとある女性が主人公である。その高校のクラスメイトから「クラブ」に誘われるが、その...
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書評

テロルと映画 – スペクタクルとしての暴力

「テロ」は今も昔もあるのだが、その「テロ」を題材とした作品も映画・音楽・ドラマをはじめ、ありとあらゆる分野で取り上げられている。もっとも映画も数多くあるのだが、「テロ」を通じてどのような表現を醸成しているのか、そして「テロ」についてどのよう...
ミステリー

全能兵器AiCO

本書の表紙を見るにあたり、「近未来」をイメージしてしまう。舞台は国際航空の現場の中で新たな兵器を誕生させるための実験が行われた。しかしその実験の中で突如航空機・偵察機が一緒に墜落するという事件が起こる。もっとも故意による「事故」なのかと思っ...
書評

ご機嫌な彼女たち

結婚をする人もいれば、離婚をする人もいる。その離婚をして「バツイチ」となった女性たちはどのような人生を送ったのか、その女性及び子どもたちの人生を取り上げている。 「バツイチ」の人生もまた人それぞれであるのだが、その生態を描いているような印象...
書評

心臓異色

文字通り「心臓移植」のことを表しているのだが、もっともスーツ姿の大泥棒がある女性との出会いが足を洗うこととなった話と、本書のタイトルにある心臓移植をした男が恋愛をしながらも心臓移植前のオーナーを追ったなどの6編の物語から成り立っている。 現...
書評

明日ハ晴レカナ曇リカナ

「家族」とはとても近しい関係である。しかしその近しさはほかのところでも代用できるのかと言うとそうではない部分もあれば、そうである部分もある。前者は「肉親」と言うものであり、戸籍上でも確固たる関係があり、なおかつ生まれてから長らく接することが...
ミステリー

ギンイロノウタ

ミステリー小説の中で殺人事件が多くあるのだが、これほどまでに残酷な殺人がある作品は見たことがない。しかもその「残酷」さは殺人事件の現場ではなく、むしろその殺人を行った人の「殺意」にまで及んでいる。もっとも殺意が自閉症傾向などの境遇や性格から...
ミステリー

どんぶらこ

本書のタイトルを想像するに桃太郎が桃から生まれる前の桃が川に流れるときに出てくる音を表しているのだが、本書はその「流れる音」をあたかも人生のように表している。 しかし「どんぶらこ」と流れる音は一瞬であり、その一瞬の中で殺人事件が起こり、その...
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