文芸・評論

書評

おはなしして子ちゃん

本書は2012年に文芸雑誌「群像」の7月号に収録されたものと単行本化された一冊である。本書が上梓される前の作品「爪と目」では第140回芥川賞を受賞した。本書は受賞後の1作目として世に織り出された一冊である。 ホップな作品からダークな作品に至...
SF

ドール~ルクシオン年代記

今までいくつかSF作品を呼んだ事のある私だが、「ドール」と「レディ」の2編だけでこれほど分厚い物を読んだにもかかわらず、スリリング、かつ爽快さを覚えた小説は存在しない。むしろ分厚さも苦にならないほど、スイスイと読むことができる。 最初に「ド...
書評

あらゆる小説は模倣である。

私自身、小説作品に触れることが何度かある。その作品の中には「パクリじゃないか?」と見まがうような作品も少なくない。「パクリ」とまでは行かなくても著名な作家の影響を受けて作風にまで似ているような雰囲気を醸す作品もある。特に後者は「模倣」に近い...
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書評

主人公はいない―文学って何だろう

書評を常日頃から行っている私自身にとって小説などの文学作品は苦手である。というのは背景描写からどのようにして読者に伝えていけば良いのかわからないのと、決まった読み方がないこと、さらには叙情的な表現が多く、どこをピックアップしたら良いのかわか...
SF

パワードスーツ

日常の中に「SF」の要素が組み込まれている様なタイトルである。 本書の舞台は近未来の地方都市を舞台にしており、老人達が次々と失踪したときから物語が始まるのだが、やがて「連続失踪事件」から「殺人事件」へと発展したとき、「パワードスーツ」及びそ...
書評

ショットバー

「ショットバー」は簡単に言うと、グラス1杯ずつ提供するバー(酒場)の事を表しており、カタカナ語ではあるが「和製英語」として用いられる。 本書の主人公はある商社に勤めているOLで、バリバリのキャリアウーマンと言いたいところだが、顧客のクレーム...
書評

消滅した国の刑事

「消滅した国」と言うと、戦争により国を失った人のことを連想してしまうのだが、実際の所そういったストーリーではなく、この物語に関連するのは「東ドイツ」のことである。冷戦が終わったことの象徴であるのだが、「東ドイツ」が本書のタイトル、そして本書...
文芸・評論

一寸先は光

「一寸先は闇」という諺であれば誰でも知っているものである。これは「ちょっと先のことも全く予知できないことのたとえ(「広辞苑 第六版」より)」を表している。一寸先は現在よりも少し先にある「未来」、その未来は全く予想が付かない、わからないからで...
書評

彼は二十一歳年下

最近では「熟年離婚」もある一方で「年の差婚」と言うものもある。1年か2年ほど前に男性芸能人が20歳~30歳ほど年下の女性と結婚したという話題があった。 本書はそういった報道の逆であり、女性が年上であるという話である。年の差婚の一つであるが、...
書評

小説あります

小説はフィクション、ノンフィクションはあれども、幅広いジャンルまで扱っている。しかし今も昔も人はなぜ小説を読むのだろうか。 私自身もこの「蔵前トラック」で本を紹介し始めた頃、小説は全くと言ってもいいほど読まなかった。読書観は人それぞれである...
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