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地理

アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた 失われたカムイ伝説とアイヌの歴史

私自身北海道の出身であるため、小学校の頃からアイヌのことについての勉強をしており、アイヌという言葉や文化を聞くと懐かしささえ感じられる。昨今では完結したマンガ「ゴールデンカムイ」が人気を呼んでおり、アイヌの人・文化に対する認知も広まっていったと実感もしている。もちろんアイヌに関しての議論は様々であるが、私としては良くも悪くもアイヌの文化について認知が広まったとポジティブに受け止めている。 アイヌと […]

人が集まる街、逃げる街

「街」には様々な表情があり、表情によって街そのものの個性・特色となっていき、人が入ったり、逆に離れたりする。特に2020年に入ると、コロナ禍によりテレワークなどが急速に進み、街の見方も変わっていっているという。そもそも本書のタイトルにある「集まる」「逃げる」にはどのような要素があるのか、本書はそれぞれの街を引き合いに出して取り上げている。 第一章「ニュータウンの課題と挑戦」 高度経済成長期に数多く […]

何とかならない時代の幸福論

時代は変わる。その変わる時代の中で「何とかなる」こともあれば「何とかならない」と思えるようなことも往々にしてある。特にここ最近では「コロナ禍」「コロナショック」により、「何とかならない」声がどうしても聞こえてくる。 そのような時代の中で「幸福」とはいったい何か、本書は立場の違う2人が対談を通して日本の現在地と幸福についてを取り上げている。 Ⅰ.「日本の現在地――私たちはどこへ向かっているのか」 か […]

越えていく人——南米、日系の若者たちをたずねて

本書は著者自身がペルーに住みながら、ペルーを含めた南米諸国を渡り、日系人たちとの出会いを通して、越境していくこと、日系人とはなにかを見出している。そもそも「日系人」とは、 日本以外の国に移住し当該国の国籍または永住権を取得した日本人、およびその子孫のこと。Wikipediaより抜粋 とある。日系人として印象が強くあるのが戦後になってからJICA(国際協力機構)の支援により、南米に移住する方々が出て […]

悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

先日、新潟の「佐渡島(さど)の金山」を世界遺産登録について話題となった。特に過去の歴史的な遺産について登録になるかどうかの論議もあり、私の住んでいる鎌倉市も世界遺産登録の推薦があったのだが、残念ながら「不登録」となった経緯もあった。 また世界遺産の中には原爆ドームやアウシュビッツなどネガティブな面での遺産として登録された事例もあり、負の側面を忘れないために旅行を通して見聞きすることを「ダークツーリ […]

生きのびるための流域思考

「流域思考」と言うとけっこう学術的でとっつきにくいイメージが持たれる野田が、実際には台風・洪水に対しての災害対策、および防災のために川の流れを知り、対策を行う考え方を表している。毎年のように台風、さらには豪雨などによる洪水被害は後を絶たず、さらには河川の氾濫も起こっている状況にあるため、流域思考は重要な考え方とも言える。本書はその河川の氾濫をはじめとした災害対策における「流域思考」とは何か、そして […]

好循環のまちづくり!

最近では新型コロナウイルスの感染拡大により、国・都市・地方関わらず対応に追われ、まちづくりをおこなうにも労力が割かれ、なかなか実行するにも前に進むことができない現状にある。 しかしながら街づくりをどう行うか、そして活気のあり、好循環をもたらすようなまちづくりはどのような事例があるのか、そのことについて取り上げているのが本書である。 第1章「まちづくりのホップ、ステップ、ジャンプ!」 とある歌のこと […]

2100年の世界地図 アフラシアの時代

2100年となるともしも私が生きていれば115歳となる。生きているかもしれないのだが、ほぼ確実に生きてはいないだろう。そう考えると本書の示す世界を見ることはないのだから。 それはさておき、本書はシステムを駆使して、人口分布をはじめ、様々な角度でシミュレーションを行い、約80年後にあたる2100年はどのような世界に変わっていくのか、そのことについて取り上げている。 第一部「二一〇〇年の世界地図」 2 […]

ムイト・ボン! ポルトガルを食べる旅

今年は新型コロナウイルスの影響により、旅行が自粛しなければならないなど大きく制限される年となった。さらに言うと海外旅行となると、その度合いが強くなり、国によってはロックダウンも行われているほどである。 そういった時期には海外旅行は実際に行くよりも、本やガイドなどを通じて、妄想で行っていくことで、コロナ禍が終息したときの実体験への助力としていきたい。その中で今回紹介するのはポルトガルであるのだが、ポ […]

東京田園モダン

元々著者は社会や経済についての本を取り上げることが多かったのだが、地理的な本を上梓するのは珍しい。本書は何かというと東京案内の一冊であるのだが、少し異なる点としては昭和や大正時代における名残を探すというものである。 第1章「北区 イギリス田園都市の発想は飛鳥山からだった!?」 京浜東北線、もしくは東京メトロ南北線の王子駅から歩いて5分の所に「飛鳥山公園」がある。桜の名所で知られているのだが、八代将 […]