小説

書評

花鯛

本書は短編集であるが、章立てがすべて海の生き物である。鯛は鯛でも「花鯛」はどのような鯛なのか。 花鯛の本当の名前は「チダイ」と呼ばれており、それを関東地方では「花鯛」と呼ばれている。血の色の様な鰓(えら)をもっていることから「チダイ」と名付...
書評

ギンガ

小説を読むと不思議な感覚に見舞われるが、本書は今までの小説の中でも最も不思議な一冊と言える。関西から世界へ、そして世界から関西へと移るバンドの物語であるが、風変わりさはまさに良い意味での「奇天烈」な作品と言える。 確か、内容にも「訳のわから...
書評

こちらあみ子

本書は第26回太宰治賞を受賞した作品を含めた短編集である。ちなみに賞を受賞した作品名はそれではなく「あたらしい娘」というタイトルだった。 個人的にタイトルと内容を照らし合わせると改題したあとの「こちらあみ子」の方がしっくりと来る。理由は簡単...
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ミステリー

B/W(ブラック オア ホワイト) 完全犯罪研究会

物語は児童失踪事件から10年経った時から始まる。この事件とこの事件の犯人、そして「日本犯罪史上もっとも有名な被害者」の女性が交錯した作品となっている。 ミステリー小説の中でも、本書ほど戦慄の走った作品はない。むしろミステリーであり、推理モノ...
ミステリー

辛い飴―永見緋太郎の事件簿

「辛い飴」というと昔にハッカの飴をなめたことを思い出す。飴玉の缶には必ずと言っても良いほど入っていた。あまりにも辛くて小さい頃はあまり食べられなかった。今となっては食べられるのだが、ハッカの飴自体あまり見かけなくなった。時代は変わったものだ...
書評

サポートさん

本書は「マゼンダ100」や「ヘヴンリー」といった作品で有名な日向蓮氏の短編集である。その中でもサポートや後輩など華麗に輝く主人公の裏方、つまり影にあたる人物についてスポットを当てた作品である。 確か「裏方には裏方の美学がある」という言葉を聞...
時代

あんじゅう―三島屋変調百物語事続

株式会社オトバンク 上田様より献本御礼。 本書は朝日新聞の朝刊で連載されていた作品を単行本化したものであり、「おそろし」の続編でもある。タイトルを漢字に直すと「暗獣」と書く。 舞台は江戸時代、「三島屋」という袋物屋である。場所で言うと神田、...
書評

ながれ星

本書は1981年に発売された同名の単行本を復刻したものである。本書の著者も2005年に逝去されたのだが、彼女の作風が人気を呼び復刻をしたものと言われている。 復刻された本書は「佐々木丸美コレクション」として過去に上梓された本を18巻にまとめ...
書評

とっても不幸な幸運

「不幸」と「幸運」は言葉で言うと正反対を意味している。これは辞書を調べなくてもわかることだが、それらは心がけ一つでどうにでもなる、言わば「紙一重」であろう。 本書の舞台は「酒場」である。ちょうど先週の金曜日に会社の同期と飲み会をやり、深夜2...
書評

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

組織マネジメント、経営において知らないものはいないと言われる人物、ピーター・ドラッガー。ドラッガーの著書はビジネスのみならず、人生や資本主義社会に至るまで多岐にわたっている。しかし経営や組織に関する本が多いためそのイメージが色濃い。 本書は...
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