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東京裁判

東京裁判を正しく読む

今年で東京裁判での判決60周年、同時に7人のA級戦犯の死刑執行60年となる。今年は東京裁判にまつわる本が次々と出ていて、当ブログでもいくつか紹介している(今年発売のものや、過去に発売されたもの問わずに)。 本書は東京裁判全体についてであるが、著者の2人を見ると、双方ともパール判事の解釈について論文を寄稿した方ではないか(むしろ東京裁判専門の方々だから仕方がないか)。そのうちの一人牛村氏はパール判事 […]

司馬遼太郎と東京裁判―司馬歴史に潜む「あるイデオロギー」

司馬史観というと、司馬遼太郎独自の歴史観であったがそれ自体が一部支配されている。戦争は正義であったが敗戦後はその戦争自体を悪と決め付けるような一般国民の風潮と全く同じである。 まず第一章は「東京裁判に呪縛されていた「司馬史観」の軌跡」である。 司馬史観は戦後の自虐史観の呪縛を解いてくれたというが私自身そうとは思わない。城山三郎の「落日燃ゆ」という小説があったのだが広田弘毅に関してこれほど歪曲されて […]

東京裁判への道2

下巻に移ると今度は一気に変わり日本の自主裁判、A級戦犯容疑者の釈放と細菌、毒ガス戦での罪状の在り方、そして東京裁判の在り方について書かれている。まずここではA級戦犯の釈放について7人の死刑終了後、起訴されず釈放されたA級戦犯を「A’級」として扱っているところが特徴的である。 A級戦犯として起訴されたのは全部で28人であるがそれ以外にもA級戦犯として起訴はしていない者の巣鴨プリズンに収監されたり聴取 […]

東京裁判への道1

本書は終戦からA級戦犯逮捕、そして東京裁判、そして判決までの過程を調書等をもとにして上・下の2部編成で書かれている。とは言っても東京裁判に関する文献は結構多く今年はそういう文献が出版されている。というのは今年の12月23日にはA級戦犯処刑執行60周年にあたる年である。実際東京裁判に関する文献を読みたいと思っていたのも今年であったというのは何たる偶然のことか。 まず上巻では木戸幸一の弁明、そして検事 […]

広田弘毅

絞首刑されたA級戦犯7人の中で唯一の文官であった広田弘毅。副題には「「悲劇の宰相」の実像」と書かれているが、広田自身は自らを計らわずに生きてきた。城山三郎氏のベストセラー「落日燃ゆ」でイメージされた人が多いがこれはあくまで司馬史観である。 本書はありのままの姿で広田弘毅を書かれていたので結構面白く読めた。しかしあまり分からない人にはまず小林よしのり氏の「いわゆるA級戦犯」を読んでから入ったほうがが […]

東京裁判

本日は終戦記念日である。なので大東亜戦争および、それに関連することを今ここで見直したい。 パール判事等東京裁判に関する文献を多く読んできた。ちなみにこの「東京裁判」というのは略称で、正式には「極東国際軍事裁判」という。本書はそれの集大成と言うにふさわしい1冊である。新書ながらページ数も約400ページもあり、いかに膨大な情報からありのままの「東京裁判」を描いている1冊である。それぞれ見ていく。 第1 […]

東京裁判の亡霊を撃て

大東亜戦争を侵略戦争であるということを言う人が多い。むしろ学校の教科書でも「あれは侵略戦争だった」というくだりはほぼ常套手段のように思える。 はたしてそうであろうか。大東亜共栄圏にいたフィリピンやインドネシアなどの国々は欧米列強の植民地でありそこで白人たちの迫害に遭っていた。武力抵抗を行っても列強たちは強力な武力を誇っているため簡単に鎮圧されてしまう。しかし大東亜戦争のときに白人たちと真っ向から戦 […]

「東京裁判」を裁判する

パール判事の本を3冊読んだせいか、東京裁判についての本をもっと詳しく読みたくなってきた。本書はこの東京裁判について批判をする1冊である。しかし、ごくごく基本的なことが書かれているので本書は東京裁判についての入門書と東京裁判の批判点の中でも基本的なものを紹介しているというくらいである。だが戦争を知らない我々の世代は当然東京裁判とは何たるのかを知らない。 戦前の時代は軍が日本の政府を支配してきた、軍の […]

パール判決を問い直す

まず結論から言うと中島氏は小林よしのり氏と論争を繰り広げたという、ゴー宣のパール真論ではさんざん中島氏や西部氏を批判しながらもパール判決の在り方を語っていたが、本書では小林氏の批判がないといってもいい。まずはここで期待外れ。もう一つは裏の帯紙。中島氏は「自称保守派の法哲学の乱れを正す」と主張し、西部氏は「パール判事は進歩主義者であった」と主張している。 パール判決の前文にどこにそんなことが書かれて […]

ゴーマニズム宣言 パール真論

本書は私も以前レビューをした北海道大学准教授が書かれた中島岳志の「パール判事―東京裁判批判と絶対平和主義」を批判し、パールは東京裁判を通じて何を伝えたかったのかを説いた1冊である。 本書の約大半は中島氏の批判であったが、よく的を射ている。パールの判決文(要約ではあるが)をすべて読んだがパールが日本を完全無罪にしようと思ったわけではないというくだりも事実無根であり、パールが護憲であること、カンジーイ […]