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今夜

「夜」が好きな人も、嫌いな人もいるかもしれない。しかし夜となると、太陽の明るさは消え、街灯などの明かりがわずかに照るだけで、暗くなる。物理的に暗くなるだけでなく、心的な「暗さ」を引き出してしまう人も中にはいる。 その「夜」において、自らに潜む「闇」に侵される、4人の男女を描いている。昼にある日常とはまた違う、日常と心境。そこには、人間としての弱さなどが表れる。その感情に苛まれながら夜明けを待つよう […]

アヤとあや

小学5年生の女子2人はまさに「相棒」と呼ばれるほど親密であった。しかもその名前は2人とも「あや」である(もちろん漢字に直すと「彩」と「亜耶」とあり、それぞれ異なる)。 その2人の「あや」が物語の「綾」を生み出す。 片方の「亜耶」はモデルをしていた。そのモデルに強いプライドがあり、自らも神秘的な存在で特別視されたいという願望を持っていた。だんだんと年齢を重ねることによってだんだんと神秘的なものがなく […]

カッコウの微笑み

ハッカーの事件は後を絶たない。大手の会社への不正アクセスのみならず、そのデータを盗むどころか、ランサムウェアを入れて、身代金を出させるような行為まで及んでいる。対象は全世界にまで広がっており、日本の企業でも実際に被害を受けているケースも存在している。 さて本書の話だが、主人公はハッカーとしての裏の仕事を行っているのだが、依頼を受けて製薬会社へハッキングを行いデータを盗むといった事を行った。しかしそ […]

黒い紙

「総合商社」というと、本当の意味で「ありとあらゆる」もの・ことを取引している会社であるのだが、販売対象はもちろんのこと、取引対象も様々である。大手であればあるほど、その対象の幅も広がり、海外にまで目を向ける企業も少なくない。 本書で取り上げている総合商社はまさに世界各地で商売をしている会社であり、中には「不適切な関係」となったことがある。その関係について取り上げた文書が届くのと同時に、脅迫文書が送 […]

暗黒女子

ある日、とある女子高生が死んだ。その女子高生はカリスマ性を富んでおり、美人であった。しかしその死には、本書にあるような「暗黒」な理由があったのだという。 もっとも暗黒と言っても「黒」と言う言葉では片付けられないほどの「どす黒さ」があったという。それは男性では全くと言っても理解できなかった、女性ならではのドロドロさがある。そのドロドロの本質が「暗黒」とも言える。そのドロドロさが、男性の持っている理想 […]

ブラックナイト

「ブラック」と言う言葉はなんとも色々な意味を持つ。最近でも話題となる「ブラック企業」「ブラックバイト」もあれば、社会にしても、企業にしても、多かれ少なかれの「闇」が存在する。 その「闇」にあたる存在はどのようなものか、それは企業社会の中に発生しているものなのか、もしくは人から発生しているのか、あるいはその両方なのか、真の原因は不明なのだが、その「闇」は一つ一つの出来事を通じて大きくなっていく。 本 […]

窓から見える最初のもの

窓には様々な風景を映し出すことができる。その風景には何が映っているのかによって印象が変わってくる。 本書はとある心療内科に通う人びとのことを描いているのだが、その中には短大生・大学生の2人をはじめ、様々な人物がいるのだが、そんお周囲の人物を巡り、ある行方不明事件が起こる。行方不明となった人物とは何か、事件とは何か、その事件の引き金となった動機とは何か、トリックは何かなどを物静かな物語の中でうごめい […]

やみ窓

結婚して間もなく最愛の夫が亡くなってしまい、未亡人になってしまった女性がアルバイトで生計を立てているのだが、その女性が義母たちの罵倒をはじめとした様々な地獄を体験していくことになる。それはドロドロとした人間関係を織りなすものであり、なおかつその人間関係の「闇」が描いている。それは自分自身とその周囲に映る「鏡」、その鏡の元となるのがガラスであり、そのガラスは「窓」としても扱われる。本書のタイトルはそ […]

エデュケーション

日本の教育現場にまつわる本は今まで色々と読んできたのだが、本書は小説であるにせよ、教育現場のことを生々しく描かれている。 「日本の教育現場を変えたい」という夢と情熱に駆られた若者が、次々と立ち向かう残酷なる「現実」。その「現実」に立ち向かいながら、理想に向かってひたむきに奔走していく新米教師たちの物語が本書である。 「教師になりたい」という夢は人によって存在し、理想の教師像も人それぞれである。しか […]

尻尾と心臓

本書は会社を舞台にしながら、ビジネスや人生について語っているように見える。そのことを考えると「ビジネス小説」のカテゴリに入るのかと思いきや、実際のところビジネスの場を舞台にした小説である。しかしその物語の中にはビジネスにおいて大切なこと、そして本書の帯にも書いてある通り「仕事とは何か?」の本質を取り上げている部分もあれば、人生の歩き方はどうあるべきかを説いている。 ちなみに本書は転職をした女、そし […]