「総合商社」というと、本当の意味で「ありとあらゆる」もの・ことを取引している会社であるのだが、販売対象はもちろんのこと、取引対象も様々である。大手であればあるほど、その対象の幅も広がり、海外にまで目を向ける企業も少なくない。
本書で取り上げている総合商社はまさに世界各地で商売をしている会社であり、中には「不適切な関係」となったことがある。その関係について取り上げた文書が届くのと同時に、脅迫文書が送られ、国内外を揺るがす事態となってしまう。真相を究明すべく、元警察関係者の捜査をもとにして尻尾をつかもうとするのだが、そこには「巨大企業」ならではの「闇」がうごめいていた。
企業ミステリーと呼ばれる一冊であるのだが、企業ならではの闇にメスを切り込むにしては企業内外の抗争や駆け引きが掘り下げられていなかったことが残念に思えてならなかった。
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