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京都

それは桜のような恋だった

「桜の季節」というと、言うまでも無く春である。しかし少し細かくなると桜の開花時期は地域によって変わるため、厳密に言うところの「桜の季節」は変わってくる。例えば九州から本州までは3月末~4月初めが見頃である一方で、沖縄は1月末~2月頃、北海道に至っては4月末~5月上旬が見頃となる。 それはさておき、桜の季節というと出会いと別れの季節である。その中でも特に別れは印象的になってくる。本書の舞台は京都。と […]

五色の辻

近年は新型コロナウイルスの感染拡大により、様々な業界にて苦境の状況が続いており、倒産や閉店も続いている。昨年は特に顕著であった一方で、今年は何とか落ち着きつつあると言った所なのかも知れない。 本書の舞台となる呉服問屋はコロナに限らずとも、呉服業界の苦境と同じように、厳しい状態が続いていた。そんな中で銀行マンでありつつ、企業再建に乗り出す大男が、京都の呉服問屋の再建に乗り出した。銀行マンというとカネ […]

京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋

本書は幕末の京を舞台にしている作品である。もっとも幕末の京というと、尊皇攘夷や倒幕を目指すべく、壬生浪士組、後の新撰組が結成した場所でもあり、政争の絶えない場所としても知られていた。さらには1867年には大政奉還が行われた場所(京都・二条城二の丸御殿)としても知られており、幕末の激動が色濃く表れていた。 その剣呑たる場所の中でほっとするような物語が本書である。清水寺に近い四条と呼ばれる場所にて、小 […]

若旦那のひざまくら

恋愛を「織りなす」と言う言葉を見事なまでに表現している一冊である。 本書はあるデパートのバイヤーが京都にやって来て、京都の伝統的な織物である「西陣織」の織屋の若旦那と出会ったことから物語は始まる。和服への普及に燃えるバイヤーと織屋の関わり、やがてそれは恋愛へと発展したが、そこに多くの壁があった。 京都弁で「いけず」と言う言葉があるのだが、「憎たらしい」や「意地悪」といった表現もあれば、「いけずな人 […]

京都異界紀行

歴史的な場所として知られる京都、かつては首都機能があり、なおかつ皇居も京都にあった。歴史のなかでは長らく日本の中心地となっていた京の都、通称京都は、実を言うと「異界」と呼ばれる場所であるのだという。その「異界」と呼ばれている所以とスポットについて取り上げたのが本書である。 第一章「大社の表の顔と摂社・末社が抱える裏の顔」 「大社」と言うと簡単に言えば神社のことを表している。本書は数ある神社を取り上 […]

桜疎水

京都は歴史的建造物が数多くあり、日本を形成づけた史跡が数多くあるところでも有名である。それ故か多くの観光客が押し寄せる所としても有名である。その京都が舞台となるミステリー作品6編の短編集が本書である。 今日との様々なスポットを舞台に事件が起こるのだが、男女関係よる妙は統一されているのだが、その「妙」の在り方が六者六様であり、なおかつ後に引くようなドロドロ感はなく、あっさり読める。ミステリーと言うよ […]

もし京都が東京だったらマップ

ずいぶん大胆な「もし」を表現した一冊である。東京と京都では、場所にしても面積にしても大きな違いであるのだが、前者は現在の「都」であり、後者はかつての「都」と言われている。もっとも「皇居」の存在にしても比較の対象になるのかもしれない。 本書はその「もし」を照らし合わせて、京都の魅力を東京と比較しながら取り上げている。 第1章「「もし京都が東京だったらマップ」をつくった理由」 京都は様々なスポットがあ […]

京都ここだけの話

私自身京都は今までで1回しかない。その1回は高校2年生の時に行った修学旅行の時であり、その時は観光地巡りしかなかったため、京都についてほとんどよくわからない。もっとも京都は奥が深く、なおかつ謎が多いとも言える。本書は目くるめく京都のあれこれについてを取り上げている。 第一章「「よろしおすな」の本当の意味」 京都弁の一つに「よろしおすな」という言葉がある。これは標準語に改めると「よろしいですか?」と […]

京都の路地裏~生粋の京都人が教えるひそかな愉しみ

「路地裏」というと、私の住んでいる鎌倉にもいくつか存在する。元々北海道に住んでいた私にとっては、「路地裏」がほとんどなく、「路地裏」ならではの文化も知らなかった。そのため鎌倉にすんでいる私に取っては、路地裏を見つけては散歩してみるというのも、鎌倉ならではの楽しみの一つである。 話は変わって本書は京都が舞台であるのだが、鎌倉以上に路地の魅力が多いと言える。本書はその魅力を伝えている。 第一章「京都の […]

テ・鉄輪(かなわ)

本書のタイトルである「テ・鉄輪(かなわ)」は、物語の舞台であるカフェ「サロン・ド・テ・鉄輪」を略したものである。しかもそのカフェは「縁切りカフェ」と言うから奇妙としか言いようがない。カフェも奇妙であれば、カフェに来る人々も奇妙である。人も奇妙であると、さらには因縁や宿縁など、奇妙な「縁」もある。ありとあらゆる「奇妙」が重なり合って作られた小説である。どのような人物が来るかというと「不倫」「狂乱」「 […]