もし京都が東京だったらマップ

ずいぶん大胆な「もし」を表現した一冊である。東京と京都では、場所にしても面積にしても大きな違いであるのだが、前者は現在の「都」であり、後者はかつての「都」と言われている。もっとも「皇居」の存在にしても比較の対象になるのかもしれない。

本書はその「もし」を照らし合わせて、京都の魅力を東京と比較しながら取り上げている。

第1章「「もし京都が東京だったらマップ」をつくった理由」
京都は様々なスポットがあるのだが、住所表記が地元以外の方々からは分かりにくいという意見もある(かくいう私もその一人であるのだが)。京都の道案内を見るにしても、京都はどのような地域かという所も分かりにくく、それを分かりやすくするために大胆にも東京とを照らし合わせて、取り上げている。

第2章「京都×東京を徹底比較! 街歩きが10倍楽しくなるマップの読み方」
京都の町歩きを行う中で、どのようなスポットがあるのか、本章では東京のスポットと照らし合わせながら取り上げている。様々な比較をしていくと、東京と似通っているスポットも点在するという新発見がある。

第3章「京都は「暮らす」目線で見るとおもしろい」
地元民以外ではあまりピンとこないのだが、京都で「暮らす」場合はどのような魅力がるのか、そのことについて取り上げている。元々著者は京都にて不動産業を営んでおり、京都の「暮らし」についても精通している。その京都は「暮らしやすい」としているのだが、利点についても述べられている。

第4章「[巻末特別対談]三浦展×岸本千佳 「街歩きの達人」と語る京都の魅力」
京都は歩いてみると面白いスポットが点在しているという。社会学者の三浦展との対談の中で観光や暮らしにおいての京都について語り尽くしている。

昨今ではアニメ「おこしやす、ちとせちゃん」が放映されているように京都における魅力を伝えているメディアも少なくない。京都の魅力は色々とあるのだが、その反面「京都ぎらい」の人もおり、両極端の嗜好を持つ場所と言える。しかし本書は土地の違う京都を東京に照らし合わせるという奇想天外さには仰天したと同時に、東京になじみ深い方々にとっては分かりやすい印象も強かった。