書評 つながりの蔵 人には必ず、何かしらの「つながり」を持っている。親子にしても兄弟姉妹にしても、友人にしても、職場・学校の人間関係にしてもである。 本書はとある小学生が家の外れにある蔵が舞台である。小学生は父を亡くし、母と兄弟とで暮らしていた。その哀しみを隠... 2022.08.27 書評青春
書評 檸檬先生 本書にて題材となっている「共感覚(シナスタジア)」は、かねてから10万人に1人と言われているが、ここ最近の研究では「共感覚」のあり方が本書で取り上げる「色」はもちろんのこと、「擬人化」や「ニオイ」など多岐にわたっており、諸説あるが20数人に... 2022.07.24 書評青春
書評 アヤとあや 小学5年生の女子2人はまさに「相棒」と呼ばれるほど親密であった。しかもその名前は2人とも「あや」である(もちろん漢字に直すと「彩」と「亜耶」とあり、それぞれ異なる)。 その2人の「あや」が物語の「綾」を生み出す。 片方の「亜耶」はモデルをし... 2021.12.09 書評青春
書評 煩悩の子 「煩悩」とは、 「衆生(しゅじょう)の心身をわずらわし悩ませる一切の妄念。貪(とん)・瞋(しん)・痴・慢・疑・見を根本とするが、その種類は多く、「百八煩悩」「八万四千の煩悩」などといわれる。煩悩を断じた境地が悟りである」(「広辞苑 第六版」... 2016.04.17 書評青春
ミステリー プチ・プロフェスール 「プロフェスール」はフランス語で「先生」「教授」の事を指す。そう考えると、本書のタイトルは直訳すると「小さな教授」と言うのだが、何の先生だろうか、と読み進めていくと科学を研究していることから、俗に「リケジョ」と呼ばれている。「リケジョ」や「... 2014.08.05 ミステリー書評
書評 おはなしして子ちゃん 本書は2012年に文芸雑誌「群像」の7月号に収録されたものと単行本化された一冊である。本書が上梓される前の作品「爪と目」では第140回芥川賞を受賞した。本書は受賞後の1作目として世に織り出された一冊である。 ホップな作品からダークな作品に至... 2013.10.18 書評青春
書評 こちらあみ子 本書は第26回太宰治賞を受賞した作品を含めた短編集である。ちなみに賞を受賞した作品名はそれではなく「あたらしい娘」というタイトルだった。 個人的にタイトルと内容を照らし合わせると改題したあとの「こちらあみ子」の方がしっくりと来る。理由は簡単... 2011.02.08 書評青春