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幕末

幕末の先覚者 赤松小三郎―議会政治を提唱した兵学者

今こそ衆議院・参議院といった議会政治は行われている。もっともこの「議会政治」をなし得たのは帝国議会を樹立し「国会を創った男」として知られる板垣退助に他ならないが、板垣以前に「議会政治」を提唱した人物がいた。本書はそのうちの一人である赤松小三郎を取り上げている。 赤松は幕末にて活躍した兵学者、及び政治思想家だったが、大政奉還をされる少し前に上田藩へ帰国の途上で暗殺されるという非業の死を遂げた人物であ […]

三条実美-維新政権の「有徳の為政者」

先頃安倍晋三の国葬が営まれたのだが、国葬に関する物議もあった。もっとも安倍晋三が逝去に際し、大勲位菊花章頸飾と大勲位菊花大綬章の授与および「従一位」に叙することも決定した。 この「従一位」は日本における栄典の「位階」を表している。ちなみに「従一位」より下は「正二位」「従二位」「正三位」という順番となる。 では「従一位」の上はあるのかと言うと、「正一位」がある。しかしながら叙した人物は限られており、 […]

男の愛 たびだちの詩

どうもタイトルを見ると、ある特殊な嗜好を持つ女性たちが群がるような表現になっているのだが、もちろんソッチの傾向はあるにしても、よく「男に男が惚れる」と言う言葉がある。正確に言うと鶴田浩二や東海林太郎で有名な「名月赤城山」にある一節にあるものであり、なおかつ「男心に~」となっている。 それがいつしか「男に~」となったのかもしれない。もっともこの「名月赤城山」の赤城山に縁のある人物として、一人は国定忠 […]

明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と『坂の上の雲』の時代

元々江戸時代における「鎖国」の時代は特に諸外国と一切関わりが無かったとは言えない。当時の「清王朝」だった中国大陸とオランダのみ交易が認められ、長崎の出島を玄関口に貿易などの交易が行われた。 しかし1853年、アメリカの蒸気機関船「ミシシッピ号」をはじめとした4隻の船が浦賀沖に来航した。それ以前にも琉球や小笠原に来航したが、特に幕末の始まりとして浦賀沖の来航が有名である。このときにペリーから開国に関 […]

京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋

本書は幕末の京を舞台にしている作品である。もっとも幕末の京というと、尊皇攘夷や倒幕を目指すべく、壬生浪士組、後の新撰組が結成した場所でもあり、政争の絶えない場所としても知られていた。さらには1867年には大政奉還が行われた場所(京都・二条城二の丸御殿)としても知られており、幕末の激動が色濃く表れていた。 その剣呑たる場所の中でほっとするような物語が本書である。清水寺に近い四条と呼ばれる場所にて、小 […]

古典籍の世界を旅する―お宝発掘の目利きの力

本書は「古典籍」と呼ばれるものを紹介する一冊である。古典籍とは、 日本の古典籍は,慶應4年(1868年)以前に日本で出版・書写された書籍で,内容・形態がともに優れ価値が高い書物のこと「コトバンク」より抜粋 とある。つまりは江戸時代以前に残っていた活字・印刷物を表している。よく美術館・博物館などで展示している鳥獣戯画をはじめとした巻物もまた古典籍のひとつである。本書は歴史学的にも価値の高い「史料」と […]

ジョン万次郎に学ぶ 日本人の強さ

ジョン万次郎、本名中濱万次郎は幕末における開国に関して欠かすことのできない自分物の一人として挙げられる。しかし第1章でも語られるように万次郎は、元々は漁師の息子だった。その万次郎がなぜ漂流し、アメリカへ渡り、そして開国の役割の一端を担ったのか、そのことについて取り上げている。 第1章「出漁そして漂流」 冒頭にも述べたように万次郎は現在でいう所の高知県で漁師の子として生まれた。当初万次郎は父の漁師の […]

徳川家が見た幕末維新

1853年、ペリーが浦賀沖にやってきてから「幕末」は始まった。幕末は「激動」と呼ばれた時代なのだが、その時代の中で幕府はどの立ち位置にあったのか、新撰組の存在、さらには攘夷派の存在など文献を探してみると山のように見つかる。 しかし本書は幕末・明治維新を幕府、それも徳川家の立場からどのように見えたのか、本書は田安徳川家の末裔の視点から紐解いている。 第一章「徳川慶喜」 江戸幕府最後の将軍だった徳川慶 […]

<通訳>たちの幕末維新

江戸時代における日本には「鎖国」の状態にあったのだが、中国大陸(明・清の王朝)とオランダに限って貿易を行っていた。ただ、オランダ人や中国・朝鮮人だけが鎖国時代の日本に来たのか、と言う塗装ではない、シーボルトをはじめとしたドイツ人、トゥーンベリをはじめとしたスペイン人も日本にやってきていた。その窓口となったのが出島(長崎市の南部)だった。 その出島では、「通詞(つうじ)」と呼ばれる集団もいた。辞書で […]

小栗上野介―忘れられた悲劇の幕臣

歴史には光と闇がある。「光」というとまさに歴史の教科書や歴史書の主人公に描かれる人物のことを表す。反対に「闇」は史料といったものには載せられておらず、歴史とともに忘れ去られてしまった方々のことを指す。 本書で紹介される小栗上野介(小栗忠順)もまたかつてその一人であった。しかし彼にまつわる史料が見つかっただけではなく明治末期に日本海海戦の英雄として知られる東郷平八郎により名誉回復を機にその名は再認識 […]