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童話

比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども

本書の著者は元お笑い芸人で「セーフティ番頭」でコンビを組んでいた。かつて存在した「爆笑オンエアバトル」でも出演したことがあるのだが、2010年にコンビを解消、そして職を転々としながら、2014年に作家としてデビューし、そのデビュー作である「神様の裏の顔」で「第34回横溝正史ミステリ大賞」を受賞し、現在に至っている。 本書の話に入るが、本書は少し形の異なる短編集である。なぜ「形の異なる」と書いたのか […]

三匹の子豚

本書のタイトルである「三匹の子豚」は18世紀後半頃に作られた童話であるのだが、実際に誰が、いつ作られたのかはわかっていない。ただ判明しているところでは書物としては1812年に初版が発行され、童話として親しまれ、1933年にはウォルト・ディズニーの映画にて上映された。この映画が世界的に親しまれるようになり、今日の「三匹の子豚」が形成付けられた。 もっとも童話と書いたのだが、実際の所は「伝承」の一つと […]

トランスヒューマンガンマ線バースト童話集

「童話」と言うと、非常にわかりやすく、子供でも読みやすいようにつくられ、なおかつためになるものがほとんどである。 しかしながら、本書はSFにしたものは良い。それどころか展開そのものをエキセントリックなものになっているため、「新手の短編集」といった扱いにした方が良いかも知れない。 ちなみに本書は「シンデレラ(灰被り姫)」「竹取物語」「白雪姫」「さるかに合戦」「おむすびころりん」「アリとキリギリス」を […]

おとぎカンパニー

世の中には色々なおとぎ話がある。そのおとぎ話は実際の所残酷な話を上手い具合にデフォルメにして子どもも楽しめるようにしたためているものが多くある。 そのおとぎ話を「会社」に見立てて、物語にした短編集というよりも「ショートショート」と呼ばれる超短編集にしたのが本書である。おとぎ話の「夢」の側面と、会社や社会と言った「現実」の側面を如実に表しているような気がしてならなかった。 もっとも会社をショートショ […]

ドロシイ殺し

ドロシイというと「オズの魔法使い」に出てくる主人公の少女のことを現している。その主人公の名もまたドロシイなのだが、とあるビルもまた「不思議な国」と見立てて、そのビルの支配者の遺体が発見されてから事件が始まる。 その事件にはメルヘンというのもあるのだが、もっともグリム童話のようにあたかもメルヘンの如く子どもにはかわいく映っていても、実際にはグロテスクな描写やミステリーの要素も含まれるなど、どうしても […]

私のおとぎ話

宇野千代氏は小説家である一方で服飾デザイナーや編集者、実業家など「多芸多才」を地で行くような方であり、さらに数多くの男性遍歴を持つ、といった波乱の人生を歩んで行った方で有名である。本書には同じ小説家の瀬戸内寂聴氏の推薦文が記されているが、数多くの男性遍歴がある、波乱にまみれたという点で通ずるものがある。 小説としてはそれほど多くなかったものの、自らの人生をモチーフにした作品が多く、惹きつけるものが […]

ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話

本書ほど「爆笑」と「痛快」を同時に思った一冊はなかった。 私たちが良く聞くマネーの話に踊らされてしまい、しまいには損失を被っていたという笑えない話というのが後を絶たない。それにより、「金融=怖い」「金融=悪」という印象を持ってしまう。つまり「騙されてしまった」ということである。 本書ではグリム童話を基に(というかパロディといった報がふさわしいと思うのだが)金融にまつわることについて書かれた一冊であ […]