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聞き書き

絶滅危惧職、講談師を生きる

本書のタイトルにあるように講談の世界は存続が危ぶまれる様な状況に陥っており、「絶滅危惧」と呼ばれているほどである。その世界に入り、今となっては著者が「講談」の世界から復興に気を吐いているような気がしてならない。今となってはテレビやラジオでは見聞きしない日はないほどの人物であるのだが、知っての通り著者は現在二ツ目である。 二ツ目で人気を博し、なおかつメディアでも引っ張りだことなる人物は落語の世界でも […]

小山三ひとり語り

歌舞伎を全く知らない人にはあまり知られていない名前であるが、歌舞伎を知るとなるとその人の存在感は大きなものとなる。 「中村屋の生き字引」 著者につけられた異名のようなものである。その名と重なるほどの人生を著者は送ったと言っても過言ではない。と言うのは4歳の頃に歌舞伎入りするのだがその時に十七代目中村勘三郎(当時は三代目中村米吉)に弟子入りした。その後十八代目勘三郎、六代目勘九郎・七之助兄弟と長年仕 […]

いとしこいし想い出がたり

あけましておめでとうございます。本年も「蔵前トラックⅢ」をよろしくお願い申し上げます。 新年1発目として本書を取り上げます。「初笑い」という部分で。 私自身お笑いが好きであるのだが、昨年は様々な訃報があった。関西を中心とした上方の演芸に焦点を当ててみると初頭には上方落語四天王の一人である三代目桂春団治氏が、年末には吉本新喜劇のメンバーで「パチパチパンチ」で有名な島木譲二氏がこの世を去った。そのこと […]

藝、これ一生―米朝よもやま噺

落語界史上2人目の人間国宝で、上方落語における「中興の祖」の一人だった三代目桂米朝が今年の3月19日に逝去された。はんなりとした語りのなかで描かれる落語が非常に面白く、数多くの落語を掘り起こし、さらには多くの弟子を育て上げ、上方落語の復興に身を捧げたと言っても過言ではない。 桂米朝が晩年、自らの芸、弟子、上方落語のこれまでとこれからについて「聞き書き」という形で残したのが本書である。 <看板、一枚 […]