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高校生

ないものねだりの君に光の花束を

人には何かしらの「個性」がある。しかしその「個性」を否定するか、あるいは気づかないといったこともあり、そのことによって「自分には『個性』がない」と否定的に見てしまう人も少なくない。そのような人となると、かくいう私も昔はそうだったのだが、相手に対して個性の「ないものねだり」をしてしまう傾向にある。 本書は個性が無いと思ってしまい「ないものねだり」をしてしまう女子高生。しかも自分はずっと「脇役」だと認 […]

恋に焦がれたブルー

「一途」と言う言葉がある。調べてみると、 一つのことに向かい、他をかえりみないこと。ひたすらなこと。ひとすじ。「広辞苑 第七版」より とある。一つのことに対してひたむきに頑張る人・ことをさているのだが、本書は恋に、そして靴にと、ひたむきに向かう姿を描いている。その恋の相手は同じ学年の女子高生。ボロボロの靴を履き、友達もおらず、笑顔も無かった。しかし一途な男子高校生との出会いで変わっていった。 また […]

ノワール・レヴナント

本書の表紙にはトランプを行っている女子高生の姿がある。トランプのゲームによっては心理的な駆け引きが求められることもある。そのトランプにおける「数字」と、駆け引きが本書にて展開されている。 本書はとある男子高校生を主人公にしている。その高校生はあらゆる事象はもちろんのこと、他人の背中にも「数字」が見えるという。しかもその数字は「幸運」を表しており、どこかのRPGにおける「うんのよさ」を示している。し […]

教室が、ひとりになるまで

とある高校にて連続の自殺事件が起こり、生徒が一人、また一人と減っていった。しかし証言から自殺ではなく、「他殺」だった。 もしもそうであれば完全犯罪のような状況なのだが、そこは本書の主人公。「若者の人間離れ」の如く、超能力で推理を行うと言うものである。超能力だけでも荒唐無稽に思えてくるのだが、ミステリーらしく、推理展開が独創的でありながらも、事件の真相を紐解いている。 また高校が舞台であるため、高校 […]

9月9日9時9分

本書のタイトルを見た瞬間、ふと「ノストラダムスの大予言」を連想してしまった。「1999年7の月~」といった予言が有名なものであり、滅ぶのかどうかといったことがあたかもカルト的に取り上げられたことがある。もう23年の月日が流れているため、「ノストラダムスって誰?」と思う方もいることだろう。 ちなみに本書はそういった本ではない。親の仕事の関係で、タイから日本にやって来た高校生の恋愛を描いているのが本書 […]

蕎麦、食べていけ!

著者の江上剛と言えば第一勧業銀行(現:みずほ銀行)、日本振興銀行と銀行畑を歩み、その経験から金融関係、さらには経済関係、サラリーマン関係の小説を多数出している。そう考えると、本書の小説は異色中の異色と言える。 本書の舞台は高校生からの町おこしである。しかし実際に観てみると金融や経済の要素が散りばめられており、題材が異なれど、著者自身が培ってきた経験が活かされており、金融機関の役割、そして最近でも話 […]

ミライヲウム

人に触れたときにその人の未来が見えてしまうという男性は、恋愛とは無縁の生活を送ろうとしていた。ある女性と出会うまでは。その女性と付き合いだし、バッドエンディングの未来を見たときに、それを覆すべく為に動いたとき、物語は始まった。 本書は「ミステリー」と表記しているのだが、むしろ恋愛小説の要素が強い。それでいて、未来を見えるといった物語はファンタジーの要素も絡んでいる。そのため「ミステリー」を意識して […]

夢の迷い路

20世紀に起こった事件を21世紀にて生きている人たちが解決するというものである。同級生の男女が、迷宮入りとなり、誰しもが置き去りにしていた事件を知ることとなった。しかもその当事者も生きており、話を聞くことにより、長らく止まっていた、事件解決への歩みが進み始めるという一冊である。 元々2人はどうして事件を知るようになったのかというと、周囲の人々から話を聞いたところにある。そう考えると元々あった事件で […]

水槽の中

「水槽」という言葉が何とも言えない感覚に陥る。本書の話は高校生4人が織りなす物語であるのだが、その物語は複雑に入り交じって、息の仕方が分からないほどの苦しさがあり、なおかつ狭い世界のなかで入り交じることによって「水槽」と見立てられるようなことも考えられる。 高校生は思春期の先の「青年期」にあるのだが、まだまだ悩み多き時期であり、なおかつ高校と家族などのなかでの人間関係を織りなす様なことが多くある。 […]

人魚姫の椅子

ロマンチックなタイトルのように見えるのだが、実際には小説を書く高校生と椅子職人との交流を描いているのだが、季節は移ろいながら関係は変化する。それは人の成長も含めて変わってくる。その変わってくる中では距離も出てきて、いつしか「別れ」も出てくる。その当たり前と呼ばれることもいつか終わることを受け入れられなかったことが、失踪事件の引き金となった。 何てことない2人の関係がなぜ失踪事件の引き金となったのだ […]