恋に焦がれたブルー

「一途」と言う言葉がある。調べてみると、

一つのことに向かい、他をかえりみないこと。ひたすらなこと。ひとすじ。「広辞苑 第七版」より

とある。一つのことに対してひたむきに頑張る人・ことをさているのだが、本書は恋に、そして靴にと、ひたむきに向かう姿を描いている。その恋の相手は同じ学年の女子高生。ボロボロの靴を履き、友達もおらず、笑顔も無かった。しかし一途な男子高校生との出会いで変わっていった。

またその主人公の男子高校生も靴職人を目指すということに「一途」だった。靴を作りたい思いから色々な行為に走るところは、ものすごく一途というよりも「変態的な一途」な印象が強い、もちろん「良い意味で」である。その一途な物語は時として多くの困難を呼ぶことになるのだが、それでも一途に進む姿は恋愛小説の王道を言っているような気がしてならなかった。