ないものねだりの君に光の花束を

人には何かしらの「個性」がある。しかしその「個性」を否定するか、あるいは気づかないといったこともあり、そのことによって「自分には『個性』がない」と否定的に見てしまう人も少なくない。そのような人となると、かくいう私も昔はそうだったのだが、相手に対して個性の「ないものねだり」をしてしまう傾向にある。

本書は個性が無いと思ってしまい「ないものねだり」をしてしまう女子高生。しかも自分はずっと「脇役」だと認識していた。しかしアイドル的な存在である男子高校生との出会い、そして付き合いによって大きく変わる。アイドルである男子高校生にも「陰」と呼ばれる部分があった。

人には誰しも明るい側面、暗い側面があること。そして高校生ならではだが、その「陰陽」療法の側面において悩み、せめぎ合いながら生きていることがよくわかる。恋愛小説のように見えるが、むしろ「青春小説」という方が正しいかも知れない。さらに言うと、中高生で、個性について悩んでいる人がいたら是非読んだ方が良い一冊と言える。

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