悶える職場―あなたの職場に潜む「狂気」を抉る

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「悶える」と言うことは、大人な意味合いではなく「悶絶する」という意味から来ている。なぜ「悶絶」をするのだろうか、それは現在の労働環境がそうさせている。例えばいじめやいたぶり、さらには人事異動などで精神的に追い詰め、最悪は過労死に追い込ませる。たとえ過労死や自殺に追い込まれたとしても何食わぬ顔で新しいターゲットを見つけ、同じようにいたぶっていく。その繰り返しが全部の企業ではないものの、一部では行われ続けている。本書はその惨状を明らかにしている一冊である。

Chapter1「若手社員を追い込む「上司」たち」
リストラや追い出し部屋、さらには苛烈な叱責や圧力などで若手社員を追い込み、うつ患者を量産させ、最終的にはゴミ箱に捨てるように辞めさせるような惨状を実際に体験した方のインタビューを元に綴っている。最初にも言ったのだが、全てがこのような状況ではないが「このような所もある」と言うことだけは伝えておく必要がある。

Chapter2「「弱者」にかき回される職場」
「弱者」と言うと「女」「子供」「老人」などを連想する。「老人」は本章では出てこないのだが、女性社員もいれば、生まれたての子供をかかえている会社員も少なくない。「弱者」を言われるような存在は時として「権力者」「強者」に様変わりすることさえある。その現状を綴っているのが本章である。

Chapter3「職場に潜む「狂気」が見える」
けっこう前になるがある電機メーカーが大量の人員削減を敢行した。その中で苛烈な退職推奨のやりとりを何度も行い、精神的に追いやられたエピソードが存在する。そのやりとりが書き起こされた記事を見ると背筋がゾッとするような感覚に陥ったことがある。本章にもそれに似たやりとりを綴っているのだが、こんな現状があるのか、と言うことを疑いもしてしまう。
さらに、様々な現状を綴っているのだが、企業では人員削減を行っている一方で外国人労働者を大量に受け入れているのだという。その理由は「人件費削減」である。ちなみにこういった風潮は第赤字を抱えている企業ばかりではない。毎年黒字を算出している企業でさえ起こっているという。

Chapter4「「死」と隣り合わせの職場」
職場によっては「死」と隣り合わせになる事さえある。それはいったいどういうことなのか、と言うと、毎日徹夜勤務になったり、そうでなかったとしても月200~300時間といった長時間の残業を強いられたり、休日ゼロのような環境に置かれ、過労で病を起こし、時として死に至らしめるケースの事をいう。「過労死」と言う言葉は日本にしかなく、英語圏でも「Karoshi」と呼ばれる程である。そのような状況はもう25年以上も前から続いており、改善の兆候はあるのだが、目に見えて行われている状況にはない。むしろ改善しようとしない組織内部の思惑もあるのかも知れない。

職場にはあなたの知らない「狂気」じみた所が存在する。しかし「ウチの職場に限って・・・」と言われるかも知れないが、多かれ少なかれ、本書ほどではないものの、それに近い現状があるのかも知れない。組織は変化するのだが、その変化のベクトルによって、本書の様になったりすることも、正反対にする事もできる。本書は現状を知るだけではなく、いわゆる「反面教師」としても役立つことのできる一冊である。

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