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2008年8月

反空爆の思想

「空爆は戦争終結を早め、死傷者の数を少なくする」 本書のカバー裏にこう書かれている。ちなみにこれ爆弾を投下する側の人間の論理である。簡単にいえばアメリカの論理といっても差支えない。実際この論理はそうかと考えると大空襲により多くの尊い命を失った日本にとっては間違っていると言いざるをえない。確かにこの論理からすると「死傷者は多く出るものの、それだけ国の士気を低下させ、戦争終結に持ち込ませる」という考え […]

愛国の作法

「愛国心とは何なのか」 一昨年の教育基本法の改正によって「愛国心教育」が盛り込まれたが、具体的に「愛国心」というとナショナリズム(全体主義)にもなれば「愛郷心(郷土愛)」なのか定義に揺れる。 本書はそういった愛国心を様々な観点から掘り下げられている。まず第1章においてなぜ現在「愛国」なのかと定義しているが、私がここで気になったのは「「愛」することはどんなことか」である。 著者の意見の前に鈴木邦男氏 […]

これからのOJT いかにして成果を出す人材を育てるか

私は社会人1年目であるのでOJTを受ける立場である。しかしこれから社会人生活をやっていくにあたり新人に対してOJTを行うということは避けて通れない。そこで本書で学びつつOJTとは何なのか、OJTをやる側はどのような対応が望ましいのかについて、受ける側はどのような姿勢が望ましいかという両面的な観点から見てみた。 本書では事例をもとにして部下の性格に合わせてのほめ方・叱り方、仕事の進め方、そして部下へ […]

熱き心 寛斎の熱血語10ヵ条

本書はデザイナーでありプロデューサーでもある山本寛斎氏の半自伝作品である。なぜ「半」がつくのかというと表題を見ればわかるが著者自身の半生をもとに、熱血後10カ条が書かれているからである。 自分が人生において壁にぶつかったとき、立ち止まりそうになったとき、迷いそうになった時に1度九すると効果あり。 そして何よりも今の若者たちの貯蓄事情に一石を投じるような極意まである。事実私のような若者は貯蓄をする人 […]

お客さま!そういう理屈は通りません

最近「モンスター・ペアレント」や「モンスター・ペイシェント」などのクレーマーが急増している。実際に企業が「お客様は神様です」主義のツケなのか、それとも企業が客に対して傲慢になったのか、あるいはその両方かというのが考えられる。実際クレーマーが急増した大きな要因としては上の3つであると私は考える。 さて本書はいつものようなクレーマーの実態というよりも本格的な対処方法について書かれている。言い方にもクレ […]

「ひきこもり国家」日本

本書は政治的にも経済的、環境問題や為替的にも遅れておりひきこもっていると糾弾している。著者が言うにはBRICsは上昇傾向にありパチンコで言うカクヘン(確変状態)にあるという。日本はそれを脱しカクヘン状態になるべきだという。 しかし日本はほぼカクヘン状態にあったのだが福田政権になってから各辺から外れ下降傾向になってしまった。それは経済対策等について温和でというよりも後ろ向きになっているような感じにな […]

沖縄イメージを旅する

沖縄は「楽園」であると同時に米軍基地問題での中心地となっている。さらに沖縄戦の大きな傷跡もある。それにもかかわらず悲しさも見せずにおおらかである民族性はどこからきているのか、そしていかにして「楽園」となり得たのかを突き止めたのは本書である。 本書は戦前の沖縄観光から民俗学者の柳田國男の南島研究、沖縄海洋博、沖縄サミット、そして「ちゅらさん」人気と「移住」ブームの構成で沖縄について書かれている。 前 […]

世の中がわかる「○○主義」の基礎知識

私自身書評を多く行っており、民俗や政治・国際情勢に関しての文献を数多く読んでいる。しかしその中で「ナショナリズム」や「アナーキズム」、「リベラリズム」など「○○主義」や「○○イズム」と言う表記をいやと言うほどよく見る。実際にそれについて調べることも行っていて、ある程度までは知っているものの、全部わかっているほどでもない。と言うよりもそもそも定義自体が揺らいでいるものもあるので自分としてはこうだとい […]

組織行動論の実学

本書はハーバード・ビジネス・レビューという中から組織行動論について心理学の観点から経営課題を解明している。一見お堅い本であり、かつ机上の空論かという疑いもあるのだが、本書を読むと日本の経営の現状にも通底する部分が多い。 第1章では組織の7つのタイプがあるがとりわけ半数以上を占めたのが不健全な組織となる4つのいずれかに該当しているという。逆に健全といわれるのは4分の1を少し超えたくらいしかないという […]

「海洋国家」日本の戦後史

アジア地域のほとんどは大東亜戦争終了までは欧米列強の植民地であった。そのときは白人たちの横暴に苛まれ続けたが、大東亜戦争による日本の活躍により、日本軍に不満を持ちながらもアジア独立への希望が芽生えたことは紛れもない事実である。それによって戦後多くの国々が独立した。 本書は日本におけるアジア外交の戦後史についてであるがとりわけ多く取り上げられていたのはインドネシアと日本の外交である。戦後インドネシア […]