出会って4分でエコヒイキされる心理術 ~太鼓持ちの人脈スキル~

株式会社オトバンク、上田渉様より献本御礼。
会社の中には誰か1人は「エコひいき」と呼ばれる人がいる。その人は一体どのような方法でそうなったのかというのは当人しかわからない。もしかしたら当人も分からないかもしれない。ただ、エコひいきされるには何かしらの「理由」があることには間違いない。本書はエコひいきされる心理的なカラクリを明かすとともに、どうしたら「エコひいき」されるのかという方法も伝授している。
(本当であれば「エコひいき」と書きたいところだが、本書では「エコヒイキ」と書かれているためここからは後者で統一)

第1章「「太鼓持ち」が「エコヒイキ」を引き寄せる」
エコヒイキになるためにはどうしたらいいのだろうか。それは「太鼓持ち」になることだと著者は主張している。太鼓持ちはもともと「幇間」とかき、「ほうかん」とも「たいこ」とよむ。主にお座敷といった宴席にて場を盛り上げる役割を担う立場のことを言っている。落語でも「幇間噺」で「愛宕山」や「鰻の幇間」と言うような演目がある。
簡単に言えば上司に対して尽くすといった人あたりの良さ、そして第一印象を決める4分間を大事にすることによって「エコヒイキ」になるかならないかの境界線が決まるとしている。

第2章「驚くほど「人脈」が広がる「太鼓持ち」の力」
人脈を広げるための手段にもこの、「太鼓持ち」というのが十分通用するという。
人脈術に関しての本はいくつも存在するが、必ずと言ってもいいほど「ギブ・アンド・ギブ」というのは言われている。魅力のある人は、誰に対しても笑顔で接し、恥ずかしい話も喜んでネタにする、言わば「恥」力がモノを言うという。「知力」ではない「「恥」力」である。

第3章「「エコヒイキ」を勝ち取る技術」
エコヒイキは生まれつきに得られるものではなく、勝ち取ることによって得られる技術である。つまりその技術が備わっているかによって「エコヒイキ」であるかどうかというのが見分けられるわけである。
その技術とは一体何なのか、いろいろあるのだが、相手を喜ばせる。誰に対しても「褒める」、すり寄ることにより、エコヒイキが備わってくる。八方美人を蔑まれても、徹底的に褒めまくれ、と言う所である。

第4章「「太鼓持ち」の発想力で「自己変革」」
太鼓持ちをすることにより、自己変革をするために何かつだけでもトレーニングをすることによって専門家になった方がいいという。私の考えは「笑顔」だが、鏡の前で笑顔を作るのではなく、毎日お笑い番組を見て、思いっきり笑うということ。面白い落語を聴く、漫才を観るだけでも十分笑顔のトレーニングにもなるし、場合によっては腹筋トレーニングにもなる。ただし、あまり笑いすぎるとのどを痛める、声がかれる、顎が外れる可能性があるので要注意。
他にも思いこみや褒め言葉、ご褒美や目標の細分化といったものまで、「太鼓持ち」になるための自己変革、発想法が目白押しである。

第5章「「太鼓持ちスキル」が、他人より秀でた人物へと押し上げる」
リーダーは、牽引力やカリスマ性と言われているが、実は部下を立てる太鼓持ちと言うのも要素と一つとして挙げられているという。
太鼓持ちリーダーとして生き抜くには、「能ある鷹は爪を隠す」が如く自分の力をセーブしながら、ナルシストで、豪快な笑いを持つことによって頼れるリーダーとしての強さを持ち、人脈を広げ、出世につながるのだという。

「太鼓持ち」は少なくとも江戸時代にまで遡るほどの歴史を持っており、日本の文化の一つとして挙げられている。現在はほとんどおらず絶滅寸前となっているようだが、独特に作り上げられた日本社会においてこの「太鼓持ち」と言う文化は今も息づいている。太鼓持ちならではの力と技術は社会に生きる今でも通用する。本書は社会の「太鼓持ち」を作る。そう発起させる一冊である。

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